世界の美容とヘルスケアビジネス情報を配信

FEATURED

注目の企画

BUSINESS

いぼの治療には凍結療法かトリクロロ酢酸か?

尋常性疣贅(いぼ)治療における凍結療法とトリクロロ酢酸90%治療の比較研究の結果が10月26日、「Journal of Cosmetic Dermatology」オンラインに掲載された。

ヒトパピローマウイルスによる良性の伝染性疾患で、顔や手、足の裏などにできやすい尋常性疣贅の治療には、液体窒素を用いて患部を凍結していぼを除去する凍結療法や高濃度のトリクロロ酢酸(TCA)を直接患部に塗布して行うピーリングが一般的な治療法である。今回の研究では、この2つの尋常性疣贅治療法の有効性と安全性を比較した。

エジプトAssiut University附属病院の外来診療に尋常性疣贅で通院している患者35人(疣贅総数414個)を、凍結療法とTCA90%療法の2グループに無作為に分けて試験を開始した。その結果、疣贅の大きさは両グループともに有意に減少した。TCA90%療法よりも凍結療法で有効な反応が見られた、平均改善率は凍結療法で89.2%、TCA90%療法で26.2%だった。完全治癒は、TCA90%療法グループよりも凍結療法グループで有意に高かった。しかし副作用は、TCA90%療法よりも凍結療法で有意に高かった。研究者らは、凍結療法はTCA90%療法よりも有効であるが、TCA 90%療法は凍結療法よりも合併症が少なかったと結論した。

ヌーヴェル日本版(LNE)公式サイトwith美容経済新聞 2025年6月正式リリース!

  • Byline
  • New

橋本奈保子

顧問記者(国際情報、薬事・医療ニュース)

名古屋大学大学院、英国Durham University, Graduate School 卒。編集者、ライターを経てフリージャーナリストとして独立。専門分野は、医学・化学関連。また、同分野を中心に翻訳、ウェブコンテンツ・ディレクターとしても活躍中。 本誌では主に、米国欧州を中心に先端美容医療、化学、米FDAなどの情報を担当。

  1. 男性・家族歴・重症度でニキビ瘢痕有病率に差異

  2. ニキビへの新技術Photopneumatic Technology

  3. 時間制限食とカロリー制限食の減量効果に差なし

RELATED

気になるなら一緒に読んでほしい関連記事

PAGE TOP