いぼの治療には凍結療法かトリクロロ酢酸か?
2018.11.1
国際部
尋常性疣贅(いぼ)治療における凍結療法とトリクロロ酢酸90%治療の比較研究の結果が10月26日、「Journal of Cosmetic Dermatology」オンラインに掲載された。
ヒトパピローマウイルスによる良性の伝染性疾患で、顔や手、足の裏などにできやすい尋常性疣贅の治療には、液体窒素を用いて患部を凍結していぼを除去する凍結療法や高濃度のトリクロロ酢酸(TCA)を直接患部に塗布して行うピーリングが一般的な治療法である。今回の研究では、この2つの尋常性疣贅治療法の有効性と安全性を比較した。
エジプトAssiut University附属病院の外来診療に尋常性疣贅で通院している患者35人(疣贅総数414個)を、凍結療法とTCA90%療法の2グループに無作為に分けて試験を開始した。その結果、疣贅の大きさは両グループともに有意に減少した。TCA90%療法よりも凍結療法で有効な反応が見られた、平均改善率は凍結療法で89.2%、TCA90%療法で26.2%だった。完全治癒は、TCA90%療法グループよりも凍結療法グループで有意に高かった。しかし副作用は、TCA90%療法よりも凍結療法で有意に高かった。研究者らは、凍結療法はTCA90%療法よりも有効であるが、TCA 90%療法は凍結療法よりも合併症が少なかったと結論した。