オメガ3脂肪酸血中レベル、心臓イベント抑制せず
2021.05.21
国際部
オメガ3脂肪酸の摂取で心血管イベントの発症は抑制できなかったという試験結果が5月16日、「JAMA Cardiology」オンラインに掲載された。
魚油サプリメントとして健康効果が期待されているオメガ3脂肪酸がコーン油と比較して血中のエイコサペンタエン酸(EPA)またはドコサヘキサエン酸(DHA)のレベルを上げることができるか、また心血管イベントとの関連があるかをSTRENGTH試験の二次分析で検証。中性脂肪レベルが高く、HDLコレステロールトレベルが低い心血管リスクの高い被験者13078人を対象にオメガ3脂肪酸の効果を検討。試験開始後12か月での心血管死、致命的でない心筋梗塞または脳卒中、冠状動脈血行再建術、入院を必要とする不安定狭心症発症の複合を主要評価項目とした。
その結果、オメガ3脂肪酸グループの主要評価項目発症率は11.1%、コーン油グループでは11%で同等だった。DHAレベルに基づいて三分位に分けた血中濃度が最も上位のオメガ3脂肪酸グループでは11.4%だった。その他のサブグループ間でも差は見られず、オメガ3脂肪酸摂取による心臓へのリスクおよびベネフィットはどちらも確認されなかった。