米国の「代謝的に健康な肥満」は上昇傾向

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2023.03.20

国際部

米国成人の代謝的に健康な肥満の有病率の傾向を調査した結果が3月9日「JAMA Network Open」オンラインに掲載された。代謝的に健康な肥満(metabolically healthy obesity:MHO)は、BMIは30.0で肥満に分類されるものの、血圧、空腹時血糖(FPG)、HDL-C、およびトリグリセリドの値に異常がない場合と定義した。

今回の研究では、代謝的に健康な肥満者率の傾向を明確にすることによる肥満の層別化と管理の促進、肥満に対する政策への資料とすることがあげられた。1999-2000年から2017-18年までの米国国民健康栄養調査(NHANES)10サイクルの成人参加者2万430人(肥満成人7386人)を対象に代謝的に健康な肥満の割合を調査し、ロジスティック回帰分析を用いて年齢調整有病率の傾向を推定した。

その結果、代謝的に健康な肥満者の年齢調整有病率は、1999-2002年サイクルの3.2%から2015-18年サイクルの6.6%へ上昇した。肥満成人の加重平均年齢は48.0歳で、53.5%が女性だった。肥満成人7386人での代謝的に健康な肥満者の年齢調整割合は、1999-2002年サイクルの10.6%から2015-18年サイクル15.0%へ上昇した。代謝的に健康な肥満者の割合の実質的上昇は60歳以上、男性、非ヒスパニック系白人、高所得者、民間保険加入者、およびクラスI肥満者で観察された。トリグリセリド値上昇の年齢調整有病率は有意に低下し(44.9%から29.0%)、HDL-C値低下の年齢調整有病率も有意に低下した(51.1%から39.6%)。また、FPG上昇の年齢調整有病率は有意に上昇し(49.7%から58.0%)、血圧上昇には有意な変化はなかった(57.3%から54.0%)。

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