連載・異業種から化粧品分野に新規参入した上場各社の化粧品事業に迫る【14】片倉工業、化粧品を新規事業として創出、2化粧品開発し市場投入(上)

2015.02.23

特集

編集部

9897d88453b13e07568ca63588d75fa6-575x427製糸業として我が国繊維業の礎を築いた片倉工業(明治6年創業)は、繊維事業の時代変遷に合わせて構造転換を図り、現在では機械、医薬品、不動産事業など非繊維事業を強化。ここへきて介護・福祉、環境、健康・美容(化粧品、サプリメント等)に加えて食育の場や高付加価値食材を提供するコミニュティサービスなど4つの領域で新規事業の創出に取り組んでいる。

4領域での化粧品を含む新規事業は、2012年度から2016年度までの5ヵ年中期経営計画「カタクラ2016」に盛り込まれているもの。

特に、健康分野の新規事業としてシルク・養蜂技術をベースにした健康食品・美容分野へ進出することを明記。ローヤルゼリーやプロポリスなどの健康サプリメントの製品開発を行い、健康食品事業へ本格参入すること。同時に、シルクや蜂蜜を原料とした化粧品を開発して美容分野へ進出することを打ち出した。

5ヵ年計画での新規事業の総売上高は32億円を計画。その中で化粧品の売り上げは「非公開だが数億円を見込んでいる」という。

こうした「カタクラ2016」に沿って同社は、化粧品やサプリメントなどの企画開発専門部隊「新規事業開発部」を組織化し、2014年10月にスキンケア化粧品「絹蜜」(写真)を開発して市場投入、化粧品事業に新規参入した。

絹蜜は、シルク成分のセリシンと国産アカシアハチミツに加えてオリーブ果実油、タチバナ果皮エキスなどの成分を配合。香料・着色料・鉱物油・パラベンなど素肌に負担になる成分は添加していない。

商品化したのは、化粧液、化粧水、下地材など5つの機能を持つオールインワンジェルと洗顔石鹸の2品目。商品開発や処方・パッケージ設計などについてはOEM(相手先商標ブランド生産)専門メーカーに協力を仰いだ。

現在、オンラインショップ、通販チャネルなどを介して30代後半から40代の女性をターゲットに売り込んでいる。
年内には、スキンケア1品目を新たに投入し品揃えを強化する。同時に、新たな販売チャネルとして百貨店やホテルなどに化粧品コーナーを開設して拡販に繋げる。

同社は、新たな販売チャネルについて「すでに百貨店などと交渉を始めているが、より具体的な提案を行って当社の化粧品を置いてもらうよう、さらに力を入れて行きたい」と語る。

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片倉工業株式会社


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