「我が社の生薬配合化粧品ビジネス」【4】中島製薬、漢方化粧品を百貨店で対面販売へ(上)

2015.05.26

特集

編集部

中島製薬株式会社(東京都国分寺市)は、1922年に中島漢方院を開業して以降、現在は、漢方調剤薬局「回生舎」(薬局店名)での頭痛、肩こり、手足の冷えなど様々な症状に対応した漢方処方及びツボ経絡に立脚した顔、身体のエステティックサロンの運営、漢方・生薬仕立てスキンケアの化粧品ビジネスを行っている。

image2同社が漢方パワーを生かした化粧品ビジネスに本格的に乗り出したのは、会社を法人化(2008年)した2年後の2010年にプロケア用の漢方スキンケア化粧品ブランド「ビオ―タ」(写真)を開発、販売したのが始まり。

現在、市場で販売しているビオ―タの品目は「メイク落とし」「液体洗顔料」「化粧水」「保湿クリーム」「しわ・たるみ美容液」「美白美容液」「改善美容液」「漢方パック」の8品目。いずれも美白、保湿性、抗菌性に富むのが特徴。

8品目全てに、処方のベースである四物湯(トウキ、センキュー、シャクヤク、ジオウ)に加えて桃の種子から抽出した桃仁エキスをはじめセンキュウエキス(セリ科の多年草)やトウキエキス(強壮、鎮痛作用、日本薬局方収載)など17種類の生薬を共通成分として配合した。

ビオ―タ開発に当たって同社は、配合した生薬の皮膚への浸透率を向上させるため、生薬の粒子をナノレベルまで微細化。同時に、超純水を使って生薬の成分を壊さないで浸透力を高めるなど独自のノウハウを生かした。

同社は、ビオータ開発について「漢方の処方を熟知した中で、漢方の持つ力を引き出した化粧品を作りたいという思いから、女性の美を目覚めさせる成分をバランスよく処方してビオ―タ開発を実現した。ビオ―タには、鉱物油・合成色素・石油系界面活性剤・パラベン・香料・紫外線吸収剤などを一切使わず、肌へのやさしさと生薬の活性化に配慮した商品作りを行った」という。製造は、OEM委託している。

現在、ビオータの販売は、ネット通販と全国のエステサロン約30店舗、漢方薬局などを中心に販売している。

同社は、ビオータの販売について「エステシャンによる商品説明が不可欠な商品でありエステサロンでの販売に引き続き力を入れたい。また、カウンセリングによる対面販売を強化するため、新たに大手百貨店との交渉に乗り出している。しかし、生薬を配合した化粧品ビジネスは、商品化したものを単に売るのではなく漢方製剤の販売と同じように顧客1人1人の処方に合わせ顧客が納得する形でビジネスを行うことが重要」と説く。

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