「我が社の生薬配合化粧品ビジネス」【12】クラブコスメチックス、和漢植物エキスで肌の潤いを持続(下)
2015.07.13
編集部
ヤマトトウキは明日香村、ヤマトカキハは五條市、ヤマトシャクヤクは西吉野、ヤマトジオウは桜井、ヤマトオウバクは信貴山系の農家でそれぞれ栽培されたものを採用している。『ならこすめ エッセンス』に使われているこれら5つの和漢植物エキスは、保湿成分として働くもので、たっぷり配合しており肌の潤いを実現している。
特に、ヤマトカキハとヤマトシャクヤクの組み合わせは、フィラグリン生成促進効果があるとして、特許を出願中。肌に充分にフィラグリンが作られていると、角質層の保湿力が高まり、自ら潤う肌に整うという。乾燥や加齢により、フィラグリンは減少するといわれているので、生成を促す手入れが必要だ。
また、この2種類の組み合わせは、抗糖化作用が確認されている。糖化の進行は、しみ、しわ、たるみ、くすみの原因。同社の試験によると、『ならこすめ エッセンス』は、塗布直後から120分後まで、化粧水+美容液+乳液を塗布した時とほぼ同等のスキンケア効果を示すことがわかっている。
このように、5種類の和漢植物エキスの配合は、優れたエイジングケア(年齢に応じた潤いのお手入れ)作用を引き出すことができる。特にヤマトカキハについては、ほかの4種類の和漢植物エキスと違って医薬部外品原料規格(外原規)がないものだったので、原料メーカーと共同で効能効果とともにしっかりした安全性評価も行なっており、日本薬学会にも研究成果を発表。安心安全へのこだわりがうかがえる。
『ならこすめ エッセンス』の好評を受け、続いて『ならこすめ 大和の恵クリーム』を開発、2013年に販売を開始した。『ならこすめ 大和の恵クリーム』はオールインワン美容液と同じ5種類の和漢植物のほか、ヒアルロン酸や水溶性コラーゲンなどを配合することで、保湿感をより高めた。特に乾燥しやすい冬の肌に長時間潤いを持続できる。
開発に際しては、地元の生協にもモニターを依頼して組合員らのニーズを取り込んだ。容器にもこだわりがあり、上から容器を押すことで1回分のクリームが出る仕組みで、手を汚す心配がない。また、容器の横壁に残量が示されており、この窓が白色から黒色に変わったら、残り約30回分あることがわかるよう工夫が凝らされている。
『ならこすめ』シリーズは、同社のオンラインショッピング、同県内の「道の駅」やお土産物店、生協などで、同県内を中心に販売している。このほか、関西国際空港でも販売しており、今後は空港関係・海外への販路を拡大したい考え。
現在、同県にゆかりの深いカリン、タチバナの有効性についても研究中。市場動向を見ながら、これらの生薬を用いた第三弾化粧品の開発を行なっていくとしている。