音楽は本当に痛みを癒す
2015.08.20
国際部
音楽に手術後の痛みを和らげる効果があるかもしれないという論文が8月21日、「Lancet」オンライン版に掲載された。
中枢神経や頭部以外の外科手術を受けた患者の無作為化試験の報告をもとに、手術前、術中、術後に音楽を聞かせた場合の術後回復の状況をシステマティックレビューで検討した。音楽を聞かせたグループと比較するための対照グループには、通常治療、音楽なしでヘッドホンのみ、ホワイトノイズ、ベッド上で安静とした。
その結果、対照グループと比べ音楽を聞かせたグループでは、術後痛、不安、麻酔の使用量が減少し、患者満足度が上昇した。入院期間に差はなかった。さらに細かな分析では、音楽の種類と聞かせた時期による差がないことも分かった。また、音楽は患者が全身麻酔の状態にあっても有効だった。
音楽はリラックス効果があり心を癒すと言われているが、この研究では、実際の痛みを和らげる効果があることも実証された。研究者らは、術後の回復を促すためには、この方法が安全かつ安価であると述べている。