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(1)遺伝子検査ビジネス

肥満の遺伝子検査ビジネス市場を牽引

肥満に悩み痩身を希望する女性に対して遺伝子(DNA)検査を行い、健康・栄養指導などを行う遺伝子検査ビジネスが新たな市場として勃興してきた。すでにドクターシーラボやディーエイチシーなどの先発組に加えて新たにヤフーやなか卵、すき家などの外食企業も参入するなど百花繚乱の状態にある。しかし、遺伝子検査は、誰がどのような検査方法でどんな遺伝子を対象に行い、評価判断するのか、個人情報の保護の観点からビジネスの実態は、不透明の部分が多い。

ヒトの遺伝子(DNA)を検査して肥満や脂肪代謝を減らなどのサービスを行う遺伝子検査ビジネスは、日米欧6ヵ国で構成する国際コンソーシアムで「人間の遺伝子の数が2万2千個ある」とヒトゲノム(遺伝子情報)が解読(2003年4月)されて以降、米国で製薬メーカーを中心に、急速にビジネスが盛り上がった。同時に、米国で脂肪細胞の表面にあるホルモンのI種「アドレナリン受容体」や褐色脂肪細胞の中のミトコンドリア(細胞小器官)に含まれるたんぱく質「脱共役タンパク質」などの遺伝子変異や体脂肪、肥満との因果関係などの研究が進んだこともあって日本国内の製薬企業や大学病院などが研究を加速させた。

これまでの研究から「ベーター2AR」「同3AR」「UCP1」など約60のエネルギー代謝に関連する遺伝子が発見され、遺伝子変異と肥満との関係が徐々に明らかにされつつある。

国際人類遺伝子学会と厚生労働省の調査では、「UCP1の変異をもつ人は、エネルギーを燃焼させる褐色脂肪細胞の働きが低下し基礎代謝量が低く肥満になりやすい。半面、ベーター2ARに変異をもつ人は、基礎代謝量が多く太りにくい体質とされる」などの研究が報告されている。

国内で、個人の遺伝子検査で最も多い肥満の遺伝子検査は「ベーター2AR」「同3AR」「UCP1」の3つの遺伝子の変異を調べることで、肥満の可否判断が行われているケースが多く遺伝子検査ビジネスを牽引している。

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加藤勇

顧問記者/ジャーナリスト

元日刊工業新聞編集局部長。欧州、米国特派員を含め記者歴通算45年。ベンチャー、中小・金融政策専門経済ジャーナリスト。「レバレッジ金融至上主義の崩壊」など著述多数。本誌では主に、経済部門、企業取材を担当。

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