肥満は環境要因の影響大
2016.07.20
国際部
肥満の原因は遺伝か、環境かという問題を取り上げた研究が7月12日、「JAMA」オンライン版に掲載された。
米国の全国健康退職者調査(US national Health and Retirement Study)から、1900~1958年に出生した8788人の観察研究を実施。BMI関連29の一塩基変異多型(SNP)アレルから算出されたBMI多遺伝子座リスクスコア(GRS-BMI)と人種および出生年コホートの関連を分析した。身長と体重は本人の自己報告によった。
その結果、GRS-BMIは、白人、黒人ともにBMI値と有意に関連したが、BMIの変化は白人で0.99%、黒人で1.37%だった。年齢を考慮したマルチレベルモデルにおいて、GRS-BMIとBMIの関連の大きさは、より最近の出生コホートで大きかった。
BMIに対する遺伝学的リスクスコアの関連の強さは、20世紀初めよりも、半ばに近い生まれの参加者のほうが大きかった。食事、運動、社会などの環境要因に肥満の原因が多くなる「肥満のまん延」への曝露が、遺伝的要因をより強めていることが示唆された。