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コスメに使われる溶媒が皮膚に与える影響を確認

スウェーデンのルンド大学(Lund University)の研究者らは、スキンクリーム、薬用軟膏、およびクレンジング製品中に使用されている溶媒中の分子がどのように皮膚分子に影響を及ぼし、相互作用するかを確認する方法を開発。1月17日に同大学サイトでプレスリリースされた。

皮膚分子はその一部が液体の状態にあり、これらの可動性分子は、弾性およびバリア機能などの多くの皮膚特性を決定するのに重要なものである。研究者らは、固体NMR(核磁気共鳴)の一種を使用することにより、異なる溶媒の分子と相互作用するときにこの流体皮膚分子の変化を検出することに成功した。さらに、溶媒中の分子が皮膚の分子にどのように影響するかを同定することにも成功した。

研究を実施した同大学化学部のEmma Sparr教授は「このような測定はこれまで行われてこなかった。今回の研究成果は、異なる条件下で、分子がどのように皮膚に浸透するかを測定したこれまでの研究を保管するものである。また、溶媒中分子と皮膚分子の相互作用についての理解を深めることにもなった」と述べている。

今回の研究結果は、衛生製品、化粧品、医薬品など、皮膚に接触する製品を含むさまざまな分野で適用が可能である。分子メカニズムの理解が深まることで、例えば、薬用軟膏は皮膚を通して活性分子を輸送できるように、皮膚クリームは皮膚をより柔らかく滑らかにするためように、消毒剤は皮膚の特性に影響を与えてはならないといったようなさまざまなニーズに合わせてより効果的に、皮膚の特性に影響を及ぼし、調節することができるようになるという。

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橋本奈保子

顧問記者(国際情報、薬事・医療ニュース)

名古屋大学大学院、英国Durham University, Graduate School 卒。編集者、ライターを経てフリージャーナリストとして独立。専門分野は、医学・化学関連。また、同分野を中心に翻訳、ウェブコンテンツ・ディレクターとしても活躍中。 本誌では主に、米国欧州を中心に先端美容医療、化学、米FDAなどの情報を担当。

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