抗酸化作用の高い食生活が糖尿病を予防

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2017.11.14

国際部

抗酸化作用食品と2型糖尿病のリスクを検討した研究結果が11月9日、「Diabetologia」オンラインに掲載された。酸化ストレスは2型糖尿病の病因になり得ると考えられている。今回の研究では、食生活における抗酸化作用の高い食品、特に果物や野菜の摂取が糖尿病リスクに影響するかを調査した。評価は酸化予防の活性の強さを表す総抗酸化能(antioxidant capacity)を用いた。

対象は、欧州がんと栄養に関する前向きコホート研究(European Prospective Investigation into Cancer and Nutrition:EPIC)に参加した女性6万4223人を15年間追跡したデータを用いた。追跡期間中に1751人が2型糖尿病を発症した。総抗酸化能は、第二鉄イオン還元抗酸化力(FRAP)法で評価した。調整されたCox比例ハザード回帰モデルを使用して、総抗酸化能と2型糖尿病リスクとの関連性を検討し、潜在的交絡因子で調整した。その結果、多変量モデルではより高いレベルの全抗酸化能が2型糖尿病のリスクの低下と関連していることがわかった。総抗酸化能と2型糖尿病のリスクには逆相関が見られた。

なお、英国の非営利団体Science Media Centreオンラインではこの研究結果に対し、対象が限られていることや抗酸化物質による糖尿病リスク抑制のメカニズムが明らかになっていないことなどから、データの解釈には慎重を要するという専門家の意見を掲載した。

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