プラセンタ(胎盤)摂取は産後うつや疲労を改善しない
2017.12.7
国際部
胎盤(プラセンタ)の摂取は産後の女性に効果なしとする研究結果を12月1日、米国ネバダ大学からプレスリリースされた。研究の詳細は11月23日、「Women and Birth」オンラインに掲載された。
近年、アメリカ、ヨーロッパの先進国を中心に出産後の胎盤を食べることが流行している。米国内でも数千人の女性が胎盤を食べていると推定されており、家庭での出産のみならず病院での出産にまで広がっている。胎盤摂取を実践する人たちは、自然界において多くの哺乳類が行っていることであるため、鉄分の補給など人間にもメリットがある可能性が高いとしている。
同大学人類学科の研究者らによる今回の試験は、胎盤の入ったプラセンタカプセルを服用した12人と偽薬(プラセボ)を服用した15人の産後女性を比較したもの。産後うつを含むさまざま健康への影響を評価した。しかし、プラセンタカプセルの摂取は、産後の気分(産後うつ)や疲労感、母子の関係形成にほとんど影響を与えなかった。しかし、プラセンタカプセルを服用したグループでは、ホルモン濃度がわずかではあるが計測可能なほど、穏やかに上昇傾向にあることがわかった。この研究の結果は、胎盤の摂取によるメリットが支持されないことを明確にした。研究者らは「この研究は胎盤摂取のメリットについて調査した最初の臨床研究である」と述べている。