日光角化症への2種の薬剤、有効性と安全性を比較調査
2018.03.12
国際部
日光角化症に対する2種の薬剤を比較した研究結果が3月2日、「British Journal of Dermatology」オンラインに掲載された。
日光角化症は長期間日光を浴びた肌に生ずることが多いとされる皮膚のダメージ。「有きょく細胞がん」の早期の病変と考えられているが、痛みやかゆみなどの自覚症状がなく、ただの「しみ」と思って放置し悪化させるというケースもある。
今回の研究は、日光角化症治療に承認されている2種の薬剤、インゲノールメブテート(IngMeb、日本未承認)とジクロフェナクナトリウム(DS)の効果を比較する第4相直接比較無作為化対照試験を実施した。
顔面または頭皮に4~8つの角化症による病変を有する患者を1:1の比率でIngMeb1日1回連続3日間塗布またはDS1日2回90日間塗布のいずれかに無作為に割り付けた。主要評価は、1回目の治療コース終了時(IngMeb第8週、DS第17週)での病変の完全消失とした。その結果、1回目の治療コース終了時点での病変完全消失はDS群23%に対してIngMeb群34%だった。全体的な満足度および有効性に関する患者満足度アンケートスコアはIngMeb群でより高く、指示事項の順守率もIngMeb群でより高かった。