ネブラスカ大学、紫外線予防のナノテクで産学連携
2013.07.19
編集部
米国ネブラスカ大学は8日、しわや皮膚がんを引き起こす可能性がある紫外線から肌を保護し、日焼け止めとアンチエイジング化粧品にバリア機能を強化することができる新規のナノテクノロジーが、ネブラスカ大学医療センターで開発されたと公表した。
新規スタートアップ企業のProTransit Nanotherapies社はこの技術を応用し、18カ月以内に無毒・生分解性システムを商品化したいと考えているという。同社の最初のアプリケーションは、皮膚がんや早期の皮膚老化の主な原因となる紫外線から肌を保護する製剤に使用される保護酸化防止剤となる予定。
ProTransit Nanotherapies社は、ネブラスカ大学医療センターで産学連携の技術移転を推進するUNeMedのGary Madsen博士との共同で設立された会社で、博士は社長兼最高経営責任者(CEO)を務めている。この事業では、ナノテクノロジーによる脳卒中、心臓病などの病気を含めた幅広い範囲を対象とした治療を提供できるプラットフォームとしての役割を果たすことができるとしている。
ナノテクノロジーと化粧品規制の関係では、7月11日に発効したEU化粧品規則(No1223/2009)が記憶に新しい。第19条「表示」では、「ナノ物質の形状の全ての成分は成分リスト中に明確に示されなくてはならない。そのような成分の名前は、かっこの中に“nano”と示さなくてはならない」と明記された。
化粧品のみならず、数多くの分野に関連するナノ技術は、各国政府でも重点的に開発を行っており、主な国の状況は以下の通り:
米国「National Nanotechnology Initiative」
・2011年2月に第3期新戦略プランを発表し、NNIは継続重点施策に決定。
独「Nano Initiative – Action Plan 2015」
・ハイテク戦略の一環として、7省が連携。
英「UK Nanotechnologies Strategy」
・省庁横断の国家ナノテクノロジー戦略。
仏「Nano-INNOV計画」
・ナノテクによるイノベーション創出に向け産学官連携・協力を加速
中国「国家中長期科学技術発展計画綱要」
・先端技術8分野の「材料技術」でナノテク強化。
韓国「ナノテクノロジー総合発展計画」
・研究開発、教育・人材育成、インフラ整備を主体。
・5年ごと見直しで、2011年から3期目に突入。