ビタミンB1誘導体フルスルチアミン 自発的な身体活動性高める

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2018.07.13

編集部

武田コンシューマーヘルスケア株式会社(東京都千代田区)は、筑波大学との共同研究により、ビタミンB1誘導体フルスルチアミンが自発的な身体活動性を高めることを発見し、同研究成果がオンライン科学誌『Scientific Reports』に7月11日付で掲載されたと発表した。

運動と生活活動を合わせた身体活動は、身心の健康維持・増進に有効だが、その継続は難しいことが知られている。生活が便利になるにしたがい運動不足や歩数の減少が生じ、身心の活力低下が社会的な問題となっており、人びとが運動に意欲的に取り組み、日常的な身体活動性を高める方策の開発は現代社会のニーズであると言える。

同研究では、ラットにフルスルチアミンを投与した際の自発行動量および脳の前頭葉(特に前頭前皮質)のドーパミン濃度を、自発行動量を測定しながら脳内の神経伝達物質を生体下で定量できるマイクロダイアリシス法を用い、測定した。その結果、フルスルチアミン投与はラットの自発行動量を高め、その増加と同時に前頭前皮質内のドーパミン放出が増加した。

次に、フルスルチアミンが自発行動を高めるときのドーパミン受容体の関与を明らかにするため、ドーパミン受容体拮抗薬(D1拮抗薬:SCH23390、D2拮抗薬:Sulpiride)を前頭前皮質へ投与し検討した。その結果、ドーパミンD1受容体の阻害がフルスルチアミン投与で高まる自発行動量を抑制したことから、フルスルチアミン投与で高まる自発行動は前頭前皮質のドーパミンD1受容体を介するということが示唆された。

最後に、自発運動に対するフルスルチアミンの影響を検討するため、輪回しケージを用いてフルスルチアミン投与後の走行量を検討したところ、フルスルチアミンの投与濃度依存的に輪回し走行量が高まることを見出した。

これらの結果は、フルスルチアミンが前頭前皮質のドーパミン放出量を高め、ドーパミンD1受容体を介して自発行動を高めることを示している。

同研究結果は、フルスルチアミンが自発的な身体活動性を高め、身心の健康維持・増進に役立つという新たな可能性を示唆するものと言える。

参考リンク
武田コンシューマーヘルスケア株式会社

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