資生堂、2018年2Qの純利益は2倍強、通期予想も上方修正
2018.08.8
編集部
株式会社資生堂(東京都中央区)は8日、2018年12月期第2四半期の売上高が前年同期比12.8%増の5325億9600万円、当期純利益が同153.5%増の476億6600万円となったと発表した。主⼒ブランドの増収により、コスト構造の改善を果たした。
セグメント別の業績を見ると、日本事業の売上高は前年同期比14.0%増の2385億円となった。集中的にマーケティング投資を強化しているスキンケア、ベースメイクアップ、サンケアの“肌3分野”を中心に、中高価格帯のブランドの成長に拍車がかかった。
とりわけ、リニューアルした美容液『アルティミューン』が牽引した『SHISEIDO』や、しわ改善クリームが新たなお客の拡大に貢献した『エリクシール』が高い成長性を確保。加えて、アジア全域でのクロスボーダーマーケティングの強化により拡大するインバウンド需要を確実に獲得した。インバウンド売上は前年比135憶円増の480億円。
中国事業の売上高は、現地通貨ベースで前年同期比32.4%増、円換算後では同35.3%増の929億円となった。『SHISEIDO』、『クレ・ド・ポー ボーテ』、『イプサ』などのプレステージブランドが高成長を持続したことに加え、コスメティクスブランドではメイド・イン・ジャパンブランドである『アネッサ』や『エリクシール』が大きく伸長するなどした。また、Eコマース売上は40%プラス成⻑した。
アジアパシフィック事業では、『NARS』などのプレステージブランドが好調を継続したことに加え、『アネッサ』が大きく伸長したことなどにより、韓国やタイなど主要な地域で着実に成長を実現し、売上高は現地通貨ベースで前年同期比14.5%増、円換算後では同17.0%増の333億円となった。
米州事業の売上高は現地通貨ベースで前年同期比1.8%増、円換算後では同0.6%減の588億円。収益性が低い直営店の閉鎖など構造改革に取り組んでいる『bareMinerals』の売上が前年を下回ったが、『NARS』や『Laura Mercier』などのプレステージブランドが成長を継続したほか、フレグランスブランドの『Dolce&Gabbana』が好調に推移した。
欧州事業の売上高は現地通貨ベースで前年同期比3.0%減、円換算後では同4.3%増の469億円。『Dolce&Gabbana』は好調に推移したが、その他のフレグランスの売上が前年を下回った。
プロフェッショナル事業では、中国やアジアパシフィック地域が好調に推移したが、前期にゾートス社を譲渡した影響により、売上高は現地通貨ベースで前年同期比56.2%減、円換算後では同55.8%減の103億円となった。
2018年12月期通期の売上高は前回予想の1兆330億円から1兆900億円、当期純利益は同540億円から670億円へそれぞれ上方修正した。収益性の高いプレステージブランドなどの好調により、日本、中国、トラベルリテールなどが利益拡大に大きく貢献している状況を鑑みた。
また、国内生産品への力強い需要に対して商品供給に課題があるものの、今後はさらなる生産・供給力の増強に取り組むことにより、プレステージブランドを中心に売上のさらなる拡大、原価率の改善、マーケティング投資効率の向上につなげていくとしている。
- 参考リンク
- 株式会社資生堂