自撮り写真の「完璧」な加工で自己肯定感を損なう可能性も
2018.08.16
国際部
写真加工アプリで修正された自撮り写真が身体イメージに与える影響を論じた短文が8月2日、米国Boston Medical Centerからプレスリリースされた。この論説は「JAMA Facial Plastic Surgery」オンラインのViewpoint欄も掲載されている。
SnapchatやFacetuneなどのアプリケーションによる写真編集技術の普及に伴い、以前は有名人や女性誌のみで見られた、外見の「完璧」レベルは、今やソーシャルメディア全般で見られるようになった。一般の人の「完璧」な画像が普及するにつれて、美容に対する人々の認識が変化した。このことにより、身体に関する自尊感情(自己肯定感)を損なう可能性があり、体調異常を引き起こす可能性もあるという。また、外科医の55%が自撮りに写った外見を改善したいと考える患者がいると報告している。
自己の外見を気に掛ける身体醜形障害(BDD)は、人口の約2%に影響する強迫性障害に分類される疾患であり、外見に関する認識した欠陥への先入観があり、手を尽くして、時には健康を損なうほどに、不完全さを隠そうとするという特徴を持つ。同センターのNeelam Vashi医師は、現在では、修正された自己の外見を気に掛ける「Snapchat醜形障害」という新たな疾患が起きたようだと述べた。
この場合、美容外科手術などでは患者の満足度は改善されず、根底にあるBDDを悪化させる可能性がある。研究者らは、認知行動療法や親身になった、かつ非批判的な方法での心理的介入を推奨し「ソーシャルメディアが身体イメージにもたらす影響を理解することが重要」と述べている。