自然派志向の入浴剤に市場拡大の余地あり
2018.09.19
編集部
化粧品など美容関連分野において、天然・無添加を選ぶ消費者が増えているものの、入浴剤においてはいまだ自然派志向に意識が向いていない。株式会社バスクリン(東京都千代田区)の調査でこんな結果が明らかになった。
同社の調べによると、ナチュラル・オーガニック化粧品市場規模は、2014年に約1000憶円だったものの、2016年には約2100憶円と2倍以上に拡大した。また、環境配慮商品の使用意向を分析してみると、自然派商品が約20%を占めた。この中では、子育てが終わり、生活が量から質へシフトした主婦が多く、平均年齢は50歳代と高めにある。
一方、入浴剤を使用した「残り湯で選択できない」と考える女性は24%おり、「人工的で体に悪そう」と考える女性は28%に上った。この28%のうち、50~60代は32%と割合は大きく、年代の高い層にとっては、入浴剤のケミカルなイメージは「残り湯」より大きな障害となっていることがわかった。
しかし、自然派ユーザーの天然・無添加商品の選択意向について尋ねると、洗顔料、シャンプー、ボディソープが60%以上と半分以上の女性が自然派を選ぶのに対して、こと入浴剤については39%と消費者自身が自然派に自覚がない状況であることがわかった。
同社の調査によると、入浴剤使用率は2011年から50%台を安定推移している。入浴剤の購入年代を見ると、40~60代に多く、20~30代は少ないことから、若年世代へのアプローチにビジネスチャンスがある。
実際、若年層の女性は、ストレス解消などを目的にヨガに取り組んだりするなどしており、30代女性の約82%が「心も体も健やかで美しくありたい」と願っている。こうした層をターゲットに同社が販売を開始した薬用入浴剤『バスクリンマルシェ』は天然ミネラル100%の有効成分などを配合。コンディショニングバスソルト『アーユルタイム』は、ネパール国立トリブバン大学アーユルベーダ校が監修したハーブを配合しているのが特徴となっている。