PIO-NET危害情報の商品・役務、1位化粧品・3位エステティック
2013.08.12
編集部
国民生活センターは8月1日、2012 年度のPIO-NET(全国消費生活情報ネットワーク・システム)に寄せられた危害・危険情報について発表した。同センターによると、PIO-NETに寄せられた2012 年度の危害情報(※)は10,599件(2013年5月末日までの登録分)。危害のきっかけや原因となったと想定される具体的な商品・役務で「化粧品」は1位、「エステティックサービス」は3位だった。化粧品では皮膚障害、エステティックサービスでは火傷などが具体的な危害事例として報告されている。
※危害情報:商品・役務・設備などで身体にけが、病気などの疾病(危害)を受けたという事例
危害のきっかけなどになった商品・役務別の1 位は「化粧品」1,405 件(13.3%)。この 1,405 件のうち、茶のしずく石けん(小麦加水分解物含有石けん)に関する件数は 455 件で、前年度の 2,545 件より大きく減少したが、依然として多くの相談が寄せられていた。2 位は「医療サービス」850 件(8.0%)で、前年度より 122 件増加。3 位は「エステティックサービス」590件(5.6%)、4 位は「健康食品」532 件(5.0%)、5 位は「外食」466 件(4.4%)だった。
年代別に危害の最も多い商品・役務を見ると、20 歳代・30 歳代は「エステティックサービス」がトップ。40 歳代以降はいずれも 1 位は「化粧品」で、40 歳代は 206 件、50 歳代は251 件、60 歳代は 332 件、70 歳以上は 273 件が報告された。
1位の化粧品1,405 件をさらに詳しくみると、1 位「化粧石けん」568 件(40.4%)で 4 割を占め、2 位が「化粧クリーム」109 件(7.8%)。危害内容では、1 位が「皮膚障害」1,124 件(80.0%)で全体の 8 割を占め、2 位が「その他の傷病及び諸症状」169 件(12.0%)、3 位が「呼吸器障害」72 件(5.1%)だった。
2位の医療サービスは 850 件で前年度より 122 件増加。 危害内容では、1 位が「その他の傷病及び諸症状」418 件(49.2%)で約半数を占め、2 位が「皮膚障害」194 件(22.8%)、3 位が「熱傷(火傷)」55 件(6.5%)だった。具体の事例として、「美容クリニックで両腕と背中にレーザー脱毛の施術を受けたら施術部位が水ぶくれ状態になり皮膚科でやけどと言われた」(20 歳代・女性)などが報告されている。
3位のエステティックサービス590 件は、前年度より 26 件減少した。内訳をみると、1 位「美顔エステ」236 件(40.0%)、2 位「脱毛エステ」145 件(24.6%)、3 位「痩身エステ」115 件(19.5%)。危害内容では、1 位が「皮膚障害」267 (45.3%)、2 位「その他の傷病及び諸症状」114 件(19.3%)、3 位「熱傷(火傷)」104 件(17.6%)。 具体的には、「美容サロンでまつ毛エクステの施術を受けたら、両目が角膜炎、角膜びらん等になり、視力が低下した」(30 歳代・女性)、「痩身エステのオイルマッサージで皮膚が赤く腫れ発疹が出た」(40 歳代・女性)などが寄せられた。