肥満患者が体重を減らすと片頭痛も減る

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2019.03.28

国際部

肥満の片頭痛患者にとって、体重を減らすことは頭痛を減らし、生活の質(QOL)の改善につながるという研究結果が32326日にラオスのニューオーリンズで開催された第101回米国内分泌学会議(ENDO 2019)で発表された。

肥満手術または行動的介入によって達成された体重減少が片頭痛の頻度と重症度に及ぼす影響を調査するために、疼痛強度、頭痛の頻度、発作期間、身体障害を含めた研究をオンライン検索した。選択基準を満たす10件の研究(対象患者473人)のメタアナリシスから、体重減少が片頭痛の頻度と強度、および身体への悪影響の有意な減少と関連していることが分かった。片頭痛の改善は、ベースライン時の肥満度または体重の減少量とは関連していなかった。 また、片頭痛に対する効果においては、体重減少が肥満手術によるものか、行動介入によるものかの違いはなく、成人と小児でも同じ傾向が見られた。

研究者のひとりで論文執筆者のイタリアUniversity of Padova内科学Claudio Pagano准教授は「片頭痛を持ち、肥満であるならば、体重を減らすことで仕事や学校での生産性は改善され、同様に家族と社会に関連したQOLも改善される。減量で、片頭痛のある日数は減り、痛みの激しさや頭痛の発作の持続時間も減らすことができる」と述べている。また、肥満者の体重減少と片頭痛を関連付ける機序は不明のままだが、慢性炎症、アディポサイトカイン、肥満併存症、ならびに行動的および心理的リスク因子の変化が含まれる可能性があるとした。

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