大気汚染物質がシワ形成を加速させるシワの原因「好中球」が肌に集まりやすくなる可能性を発見
2021.03.22
編集部
ポーラ・オルビスグループの研究・開発・生産を担うポーラ化成工業株式会社(神奈川県横浜市)は、大気汚染物質により肌に好中球が集まりやすくなる可能性があることを発見した。
大気汚染は年々大きく改善されているもののいまだ完全には解決されておらず、大気汚染物質の一種のPM2.5は、年間を通して大気中に含まれている。
2014年3月に開催された米国皮膚科学会では、皮膚科医がシミなどの肌老化との関係を指摘したことなどから、大気汚染はシワにも悪影響を及ぼすことが知られている。
ポーラ化成の行った試験においても、大気汚染物質の濃度が過去に高かった地域に住む女性の方が、そうではなかった地域に住む女性よりも、目尻のシワが目立つ傾向があることを確認している(右図参照)。
同社はこれまでの研究で、シワ形成部位に好中球が集まり、好中球エラスターゼを分泌することが原因の一つであると解明している。さらに大気汚染によりシワの形成が進む原因を探るため、以下の実験を行った。
表皮細胞から構成された皮膚モデルの角層表面に大気汚染物質を塗布してしばらく培養した後、その培養液を真皮線維芽細胞に加えたところ、線維芽細胞で好中球を呼びよせる炎症性因子の遺伝子発現が高まったことが確認された。
つまり、大気汚染物質により影響を受けた表皮細胞が何らかの因子を放出し、それが皮膚内に拡散して線維芽細胞に好中球を呼び寄せる反応を引き起こしたものと考えられます(右図参照)。
以上の結果から、好中球はシワ形成に関与することから、大気汚染物質を防ぎ、好中球の働きを抑えることがシワ形成の予防・改善には重要だと考えられる。
同社は、この知見を、ポーラの製品をはじめ、ポーラ・オルビスグループの商品に活用していきたいと述べている。