ポーラ、ガス状の大気汚染物質を分解する製剤技術を開発 独自の酸化チタンが、炎症をもたらす成分から肌を守る

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2021.05.21

編集部

ポーラ・オルビスグループの研究・開発・生産を担うポーラ化成工業株式会社(神奈川県横浜市)は、大気汚染ガスのアセトアルデヒドを分解する化粧品素材を独自に見出たと発表した。さらに二酸化窒素(NO2)を分解する素材と組み合わせることで、ガス状の大気汚染物質を分解する独自の組み合わせを確立した(図1)。

大気汚染物質は、花粉やPM2.5などの微粒子と、アセトアルデヒドや二酸化窒素などのガスに大きく分けられ、どちらも皮膚に接触すると炎症を起こすことが知られている※1※2。
このうち微粒子については肌への接触をブロックする技術※3が生まれているが、ガスをブロックすることは難しく、これまで対応策はなかった。そこで、結晶構造の違いによってさまざまな機能を発揮する酸化チタン系の素材にターゲットを絞り、アセトアルデヒドや二酸化窒素などの大気汚染ガスを分解する化粧品素材を検討した。

100種以上の酸化チタンから、優れたアセトアルデヒド分解作用をもつものを見出すことに成功(図2)。この酸化チタンAは光触媒作用を持ち、紫外線を利用した光触媒機能によりアセトアルデヒドを分解する。
また、二酸化窒素を吸着し分解する作用が報告されていた別の酸化チタンBについても独自に評価を行い、ベースメーク品の粉体として最もよく使われている粉体(タルク)と比べて、優れた分解作用をもつことを確認した(図3)。

これらの酸化チタンを独自に組み合わせ化粧品に配合することで、複数の大気汚染ガスから肌を守ることが可能となる。
この技術は、日焼け止めやベースメーク品など日中に使うさまざまな化粧品へ展開が可能と考え、今後、 ポーラ・オルビスグループの製品・サービスに活用していく意向。

※1 「アイブライトエキスに大気汚染物質による炎症因子の抑制効果を発見」(2020年10月20日)
http://www.pola-rm.co.jp/pdf/release_20201020.pdf
※2 化学物質評価研究機構 既存化学物質安全性(ハザード)評価シート
https://www.cerij.or.jp/evaluation_document/hazard/F96_09.pdf
※3 「花粉付着を抑制できる成分を新たに発見」(2019年3月5日)
http://www.pola-rm.co.jp/pdf/release_20190305.pdf

参考リンク
ポーラ化成工業株式会社
株式会社ポーラ・オルビスホールディングス

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