肥満と診断された人のその後を追跡調査
2021.11.10
国際部
米国中南部にある病院1施設で肥満および過体重と診断された患者の追跡調査の結果が10月13日、「Current medical research and opinion」オンラインに掲載された。
今回の研究は、電子カルテと請求データを使用して、記述的、観察的、遡及的に設計された研究を実施した。患者の特徴と体重変化パターンについて記録することで、他の医療機関が同様の分析を実施する際の参照となることを目的とした。対象患者はBMI27以上で18歳以上の3万6430人とし、人口統計、併存疾患、BMIおよび体重を収集した。体重変化は毎年評価され、抗肥満薬の使用も記録した。研究期間を通して追跡されたのは2万2712人(平均年齢57.2歳)で、白人が83.3%、商業保険加入者が54.3%だった。研究の開始時に過体重だった人は40.1%、クラスIの肥満は32.5%だった。
その結果、追跡1年目と4年目に、研究開始時の体重(±3%未満は可とする)を維持した患者はそれぞれ56.2%と37.0%、体重増加(3%以上の増加)はそれぞれ23.7%と33.3%だった。抗肥満薬の使用は1.1%で、フェンテルミン塩酸塩(0.5%)とオルリスタット(0.5%)が主に使用されていた。研究者らは「抗肥満薬の使用量が少ないことと相まって、時間の経過とともに体重が増加する患者の割合が増加しており、この集団での減量介入の必要性が重要と考えられた」と述べている。