第一三共、共同研究案件23件採択、OiDEファンドから投資も

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2013.10.31

編集部

第一三共は、2013年度の創薬開発に関する共同研究開発案件を公募し、ガン、抗体医薬など7領域で23件を選考・採択した。採択した23件については、今年の10月1日から契約交渉に入っており、今年3月末にさかのぼって研究開発契約を取り交わす。また、将来、成長・発展が期待でき事業化が見込める採択案件については、研究開発の内容を精査した上で、今年9月に同社と三菱UFJキャピタル、中小基盤機構が共同出資して設立したオープンイノベーションファンド「OiDEファンド」(OiDEファンド投資事業有限責任組合)から投資を行い、金融面から支援する。

2013年度の共同開発に関する案件募集は、大学や公的研究機関などでガン、循環代謝(代謝性疾患、心臓、血管系疾患)、先端医療、抗体医療など7領域で研究開発に取り組む研究者、研究チームを対象に今年5月20日から6月14日の期間で行った。
応募総数222件の中から1次と2次に分けて選考を行い、新たな創薬開発に繋がる共同研究案件23件を採択したもの。採択案件の中で上位を占めたのは、ガン領域5件、先端医療、現有テーマ活性化研究、安全性・薬物動態領域が各3件を占める。

同社は、契約期間1年から2年、契約金1千万から2千万円に規定した基準に基づき10月1日から採択案件ごとに個別契約交渉を始めている。また、同社の子会社第一三共RDノバーレも創薬研究に関する基盤技術の研究について募集を行い、3件を採択した。

採択した中で事業の成長・発展性が見込める創薬案件については、今年9月に第一三共1億円、三菱UFJキャピタル2億円、独立行政法人中小企業基盤整備機構4.5億円、その他2.5億円を出資して設立したOiDEファンド(ファンド総額10億円)から全額出資して新規事業会社を興し、シーズの育成を図る。その後、一定の成長軌道に乗った場合、第一三共が事業会社の株式または知的財産をあらかじめ設定した価格と条件で買い取る。

第一三共は、産学連携で創薬の研究開発に拍車をかけるため、2011年度から共同研究開発制度を導入。公募による採択件数は、2011年度21件(応募総数337件)、2012年度20件(同250件)にのぼる。

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