フェンネルエッセンシャルオイル抽出法3種の比較
2022.03.28
国際部
デュアル冷却マイクロ波抽出によるフェンネルエッセンシャルオイルの化学組成および抗菌活性を従来の水蒸気蒸留およびシングル冷却マイクロ波抽出と比較した結果が3月15日、「Flavour and Fragrance Journal」オンラインに掲載された。
現在、エッセンシャルオイルを抽出するための一般的な方法であるマイクロ波抽出の効率を改善する必要が求められている。今回の研究では、フェンネル(Foeniculum vulgare)に対する従来の水蒸気蒸留、シングル冷却マイクロ波抽出、デュアル冷却マイクロ波抽出の3つの方法によるエッセンシャルオイル抽出を比較した。フェンネル(別名:ウイキョウ、茴香)は、セリ科ウイキョウ属の多年生草本植物で、古くから香辛料および薬草として用いられてきた。それぞれの方法で抽出したエッセンシャルオイルの化学組成と抗菌活性をテストした。
その結果、最適なパラメーター(液固比5.6 mL/g、抽出時間27分、出力600W)で実施されたデュアル冷却マイクロ波抽出により、フェンネルエッセンシャルオイルの収率は1.172%に増加した。シングル冷却マイクロ波抽出とデュアル冷却マイクロ波抽出の両方で得られたエッセンシャルオイルの組成は、シングル冷却マイクロ波抽出の高級モノテルペン炭化水素やデュアル冷却マイクロ波抽出の高級酸素化モノテルペンなど、水蒸気蒸留で得られたものとは明らかな違いが確認された。さらに、サルモネラ菌と大腸菌がフェンネルエッセンシャルオイルに最も感受性が高く、黄色ブドウ球菌とリステリア菌がそれに続いた。これら4つの菌株に対する異なる抽出方法からのエッセンシャルオイルの活性は類似していた。