ヒアルロン酸の経膣注射による死亡症例

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2023.02.8

国際部

出産や加齢などによってゆるんできた膣壁にヒアルロン酸を注入して膣内を狭くする処置後に生じた死亡症例の報告が2月6日、「Aesthetic Plastic Surgery」オンラインに掲載された。患者は40歳の女性。韓国で違法な開業医から膣形成術(フィラー壁内注射)を受け、2時間後に下腹部の痛みが出現した。5時間後に病院に運ばれたが突然の心停止と呼吸停止状態となり、蘇生後も昏睡状態が継続し、12時間後に死亡した事例だった。

法医学的剖検により、肺に好塩基性の層状異物の塞栓像が見られ、膣壁にも同様の物質が多く発見された。ヒアルロニダーゼ消化試験により、ヒアルロン酸(HA)が注射の主成分であることが確認された。HAは化粧品のフィラーとして使用されるが、一般的に安全と考えられていた。この論文は、HAの膣内注射によって引き起こされた肺塞栓症の最初の解剖学的例を報告するものとなった。

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