太りやすいのは遺伝、それとも環境のせい?

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2014.04.26

国際部

日常よく聞かれる「太る体質」という言葉は本当かも知れない。特定の子供だけがなぜ肥満傾向にあるのかという理由を遺伝的に説明した研究が、英国University College London(UCL)とKing’s College Londonの研究者らによって4月24日、UCLのサイトに掲載された。研究の詳細は肥満研究の学会誌「journal Obesity」に掲載されている。

調査は1999-2005年、イングランドとウェールズの2556組の双子を対象に実施された。この結果を分析したところ、”heritability(遺伝率)”と呼ばれる遺伝的影響が、4歳時の43%から、10歳では82 %に増加していることが明らかとなった。この理由として、年齢が上がることで生活環境からの影響が増加し、「遺伝子と環境の相関関係」がおこるためと研究者らは説明している。また、遺伝的影響を相殺し、子供の肥満を減らすための、早い時期からの肥満介入の重要性を強調した。

「遺伝子と環境の相関関係」とは、環境の影響は個人の遺伝的要素によって異なるという考え方で、遺伝と環境の影響は互いに影響しあうというもの。同じ環境で育った兄弟でも、学力や運動能力の大きな違いがあったりすることは、この相関関係が個人個人で異なることを意味するという。このため最近の研究では、環境の影響を明らかにするために、遺伝の影響について調べ、また遺伝と環境の影響をどう区別できるのかの解明に注力されている。太りやすいのは遺伝か、それとも環境のせいなのか。将来は、太る原因の特定ができるようになるかもしれない。

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