FIFAワールドカップのスポンサーに望まれるのは?
2014.06.24
国際部
FIFAワールドカップ2014がブラジルで開催されている。主催FIFAのパートナー企業にはコカ・コーラ、スポンサー企業にはマクドナルド、バドワイザーなどが並んでいるが、健康的であるはずのスポーツイベントに、これらの「不健康な」食品企業が名を連ねてよいものか?という議論が6月14日、「Lancet」オンライン版に掲載された。
ブラジルなどのラテンアメリカ諸国においても子供の肥満は大きな社会問題となっている。昨年来、これらの国々では学校給食の改善、不健康な食品広告の制限などを実施している。FIFAを後援しているこれら企業の広告は、不健康食品から子供たちを守ろうというラテンアメリカ諸国の取り組みに正反対であると著者は言う。
FIFAは、環境問題や差別問題に対する多くの活動を行っている。その中に、健康的な身体活動をサポートし、健康的な食事への取り組みも含めるべきではないか。不健康なスポンサーシップを「蹴る」FIFAのスタートに期待している。
また、コカ・コーラはリオ・デ・ジャネイロで開催される各種国際会議やイベントのスポンサーを数多く務めている。2014年4月には国際身体活動・公衆衛生会議(International Congress on Physical Activity and Public Health)のスポンサーもつとめていることから、著者は会議の倫理基準を高め、財政上の援助を避けるようにと呼びかけている。
2012年のロンドンオリンピックに際にも、マクドナルドやコカ・コーラの名前を挙げて、「不健康食品」企業のスポンサーシップか是か非かを問う議論がなされているが、なかなか解決が難しい問題のようだ。