薪ストーブやバイオマス燃料で大気汚染増

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2014.11.26

国際部

APEC(アジア太平洋経済協力会議)閉会後の北京が、再び深刻な大気汚染に見舞われているという報道がなされたが、ヨーロッパでも大気汚染は深刻なようだ。11月19日に発表された欧州環境庁(EEA)からの新しいレポートでは、ヨーロッパの多くの都市は今なお大気汚染の危機にあるという。

大気汚染による影響には、医療費の高騰、不健康な環境、労働者の生産性の低下などがある。2011年には大気汚染のせいで40万人もの人が早死していると推計されている。毎年公表されている大気汚染報告書では、ほとんどの都市が世界保健機構(WHO)の定義では安全でないとみなされるレベルの大気汚染にさらされており、いくつかの汚染物質は都市の人口の95%以上を危険なレベルにさらしている。約400の都市の調査からは、大都市の汚染は比較的低いレベルを保っているが、それ以外ではEUの制限値以上の汚染があることが明らかとなった。

最も深刻な汚染物質は超微粒子で、ほこりやすすに似ているが、肺の奥深くまで達することができる非常に危険なものである。ほとんどの大気汚染はここ10年でわずかな減少を見せているが、二酸化窒素(NO2)だけは予測通りの減少が見られていない。これは、自動車のディーゼル燃料が原因と考えられている。また、都市部において薪ストーブやバイオマス暖房の使用が増加したため、汚染物質のベンゾ[a]ピレンの増加が顕著だった。

ベンゾ[a]ピレンは発がん性が疑われている物質で、一般に自動車の排ガス、石油精製やタイヤ用カーボンブラックの生産などの工程、木材や農業廃棄物の不完全燃焼などから発生する。大気の汚染のほか、燻製や焼き肉などの食品からの摂取も憂慮されている。

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