東洋新薬、『葛の花エキス』から非アルコール性脂肪肝(NAFL)の改善作用があることを確認

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2014.12.22

編集部

健康食品・化粧品の総合受託(ODM)メーカーの株式会社東洋新薬(福岡県福岡市)は、臨床試験において二日酔い予防と肥満改善作用が確認されている『葛の花エキス(※TM)』に、新たに非アルコール性脂肪肝(NAFL)の改善作用があることを確認した。

葛は、根の部分は葛根湯などに使われる生薬として利用され、丈夫なツルの部分は縄や籠などの日用品として利用されており、古くから日本人の生活に深い関わりをもっている植物。『葛の花エキス』は葛の花部から抽出して製造される機能性素材で、7種類のイソフラボンと3種類サポニンを含有していることが特徴。

今回、同社が目を付けたものは非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)のうち、症状が軽く改善しやすい非アルコール性脂肪肝(NAFL)。
お酒の飲み過ぎが肝臓に悪いことは一般的に知られているが、実は日本人の脂肪肝の原因は、食べ過ぎや運動不足によるものも多い。 NAFLは、非アルコール性脂肪肝炎(NASH)という 放置すると肝硬変・肝細胞がんになるものに進行する可能性がある。そのため、比較的症状の軽いNAFLも重要な病態と言われている。

そこで同社は、臨床試験にて『葛の花エキス』が持つNAFLの改善作用を検証し、結果、 NAFLの改善作用を示すことが示唆された。

検証では①アルコール摂取量が20g/日以下、かつエコー検査にて脂肪肝が確認された軽度肥満男性21名を対象に二重盲検群間並行試験(注1)を実施、②『葛の花エキス(※TM)』を300mg含有する錠剤(葛の花エキス群)と『葛の花エキス(※TM)』を含まない錠剤(コントロール群)を8週間摂取、③ALT(注2)および肝脾CT値比(注3)の評価、をした。

結果、葛の花エキス群では、摂取前およびコントロール群と比較して、ALTが有意に低値を示し、特に摂取8週間後の検査においては30U/Lを下回っていることも確認された(図1)。また、摂取前の肝脾CT値比が1.0以下の被験者で、さらに最大、最小値の被験者を除いて層別解析をしたところ、摂取前と比較して肝脾CT値比の上昇傾向が認められた(図2)。

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(注1)被験者の思い込みによる影響や試験実施者の挙動が被験者に影響を与える可能性を排除するために、被験者および試験実施者側に試験品の中身を知らせずに効果を検証する試験
(注2)アラニンアミノ基転移酵素(Alanine aminotransferase)の略。肝臓細胞に多く含まれる物質であり、血中のALT濃度が肝臓障害の程度の指標として利用される。血中ALT値が30U/L以上でNAFLである可能性が高いと報告されている。
(注3)脂肪肝の診断の際に用いられる値。腹部CT画像解析を行い、肝臓のCT値を脾臓のCT値で割った値であり、1.0以下の値であれば脂肪肝と診断される。

参考リンク
株式会社東洋新薬

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