低炭水化物ダイエットは長期的な体重増加を招く

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2015.05.14

国際部

過去の研究では、飽和脂肪酸は肥満ばかりではなく動脈硬化症を引き起こすと考えられていた。しかし2013年ごろから、脂質を制限した食事が動脈硬化には無効、また有害であることを示した研究が複数あらわれるようになってきた。オリーブオイルを多用する地中海食に、くるみを加えることでさらに脳卒中や心臓血管疾患の予防になることが実証されたのがPREDIMED試験だった。

このPREDIMED試験の二次分析の結果が、5月6-9日にチェコのプラハで開催された「ECO 2015(欧州肥満学会議)」で発表された。その結果、肥満患者の管理に広く使用されている高タンパク質食が、長期的な視点では体重増加につながり、さらには死亡リスクの増加とも関連していることがわかった。

PREDIMED試験はイタリアやギリシャなどの伝統的な食事、地中海食を検証したもの。二次分析では、参加者のアンケートから食事中のタンパク質摂取頻度を評価して行われた。摂取エネルギーの割合で換算して、炭水化物の代わりにタンパク質を取った人では明らかな体重増加が見られた。油脂の代わりにタンパク質を取った人では体重増加は見られなかった。高タンパク質食は、ウエスト周囲には影響はなかった。高タンパク質食は、炭水化物、油脂のどちらの代わりに取った場合でも、死亡リスクの高さと関連していた。

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