アトピーへのウェットラップ法、証拠不十分

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2016.11.16

国際部

アトピーへのウェットラップ法の有効性は確実ではなさそうだという報告が11月8日、「British Journal of Dermatology」オンライン版に掲載された。

ウェットラップ法は、アトピー性皮膚炎に保湿クリームを塗布し、その上から湿った綿の包帯で包むという保湿方法です。局所ステロイドを使用しない治療法として注目を集めている。その効果についての研究論文も多く出版されており、今回はそれらの研究のシステマティックレビューとメタ解析を実施し、ウェットラップ法の有効性と安全性を評価した。

システマティックレビューは、関連する論文をシステマティック(体系的)な方法を用いて網羅し、まとめるという研究方法。また、メタ解析は特定のテーマに関する研究からの結果を統合した上で解析し、統計的に一つの結果にまとめる研究方法。研究により異なる患者背景(年齢・性別・重症度など)を考慮した研究結果の評価ができる方法であり、信頼性が高いとされている。

対象は小児または成人に対する局所ステロイド療法とウェットラップ法を比較した6つの試験で、各試験の参加患者は19~51人だった。臨床的重症度および生活の質に関する結果報告は不完全で、研究を通して異質性(各試験で効果の大きさが異なること)が確認された。ウェットラップ法の有効性および安全性の結果に関するエビデンスの質は低かった。軽度の皮膚感染リスクはウェットラップ法で確認された。今回の評価から、ウェットラップ法がアトピーに有効であるという証拠を示すには、これらの研究ではまだ不十分だったことがわかった。

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