トウガラシの健康効果で長生き
2017.01.20
国際部
赤トウガラシを食べると長生きできるかもしれないという研究が1月9日、オンラインジャーナルの「PLOS ONE」に掲載された。
スパイスの多くは薬用の生薬と重なるということもあり、その健康への影響には関心がもたれてきた。しかし、エビデンスベースの研究はまだ不十分で、欧米からの大規模コホート研究は1件しかなかった。今回の研究は、1988~1994年のアメリカ国民健康栄養調査IIIのデータを用いて、赤トウガラシの摂取と死亡率の関係を分析したもの。データは18歳以上の1万6179人を集め、それぞれの死因を調査した。27万3877人年のフォローアップで合計4946人の死亡が観察された。
赤トウガラシを摂取していた人の死亡率は21.6%、摂取していない人では33.6%で、人口統計、生活習慣、および臨床特性に合わせて調整した場合は0.87となった。赤トウガラシの摂取は死亡13%の減少と関係していた。血管疾患による死亡に関しては統計的有意ではなかった。
赤トウガラシは、生薬名「唐辛子」または「蕃椒」と呼ばれており、温湿布、入浴剤に利用されるほか、トウガラシチンキ(筋肉痛、凍傷などの治療に使用)の原料でもある。保湿成分と血行促進作用があるため、化粧品では育毛剤、ハンドクリーム、トリートメントなどに使用されている。