ランニング用圧縮タイツ、パフォーマンス改善せず
2017.06.6
国際部
圧縮タイツはランナーのパフォーマンスを改善しないという研究結果を6月1日、米国オハイオ州立大学のプレスリリースが伝えた。研究の詳細はデンバーで5月30日から6月3日に開催されるアメリカンスポーツ医学会年次総会で発表された。
筋肉が振動すると、エネルギーを使用する筋肉の収縮が誘発される。そのため、筋肉の振動が少なくなると疲労が軽減するというのが圧縮タイツの理論だが、今回の研究によると、圧縮タイツは筋肉の振動を大幅に減少させるが、タイツなしで走ることと比較して筋肉の疲労を軽減しない。したがって、ランナーが速く、遠く走るのをサポートしないということがわかった。
試験参加者は、圧縮タイツ着用で1回、なしで1回を異なる日に、トレッドミルを使って最高速度の80%で30分間走った。評価はモーションキャプチャ技術を用いて、各ランナーの身体位置を数ミリメートルで追跡。 参加者の脚の強さとジャンプの高さを各走行試験の前後で計測した。また、各ランナーには心拍測定装置を着けていた。
研究を主導したAjit Chaudhari准教授は「この研究では、圧縮タイツの着用が悪影響を与えることを示すものは何もない。ただし、長距離を走っているときには感覚的な部分も重要なので、測定できない方法でランナーを助けているかもしれない」と述べている。なお、この研究はNike, Inc.からの資金提供を受けている。