世界のフィットネス・ウェアラブル市場分析ー販売国トップ10

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2018.02.5

国際部

世界市場でウェアラブルデバイスの売上は堅調に推移している。これまでの需要拡大は技術屋やスポーツ/フィットネス愛好家などの主導によるものだが、新たな需要開拓も始まっているようだ。国際市場調査会社のユーロモニター・インターナショナルが公式サイトのブログ(1月23日)で発表した調査結果「ランキング:トップ10フィットネス・ウェアラブル – 販売国」によると、2017年の販売個数の世界一位は中国で、4721万個を超えた。アメリカは4038万個の販売個数で2位だった。3位イギリス(430万個)、4位ドイツ(410万個)と続き、日本は販売個数196万個で9位だった。

同調査会社コンシューマーエレクトロニクス担当責任者Loo Wee Teck氏は、ウェラブル市場の動向について、スマートフォン以外の開発会社の市場参入が活発化していることを指摘している。シニア層が使用できるデバイスの開発、医療機関との提携の可能性、ウェラブルを導入した衣類への可能性も大きいと述べている。

ウェラブル市場は、今後も成長すると推測されているが、利用機能が魅力的でなく限定されていることや短い電池寿命などの短所から成長が阻害される危険性も問われている。ウェラブル市場を次のステップへ促進するためには、フィットネスの領域を超えたビジネスモデルを模索して、新しい利用者層を開拓することが奨励される、などとしている。

新市場開拓の一例として、シンガポールでのケースを取り上げている。 地元の銀行が教育機関と提携し、学校の子供たちに無料のウェアラブル(デジタル)を支給して、保護者に口座振替取引の管理サービスを提供した。子供は、学校での食事代金の支払いや文房具のワイヤレス購入がウェラブルデバイスで可能となり、自己のフィットネスレベルの追跡もできる。一方、保護者は、付属のアプリを活用して、子供がお昼に何を食べたか、どのような文具を購入したかを追跡できる。未使用の経費は定期的に銀行口座に振り込まれる仕組みだという。少子化傾向にある先進国社会では、子供への投資を惜しまない傾向がありウェラブル市場の新天地になり得るか注視される。

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