順天堂大 花粉症予防アプリ「アレルサーチ」をリリース

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2018.02.1

編集部

順天堂大学(東京都文京区)は、Appleが公開するアプリケーション専用フレームワークである「ResearchKit®」を使用し、花粉症の発症要因の解明と自己管理による予防の啓蒙を目的とした、世界初の花粉症予防アプリケーション「アレルサーチ」を2月1日にリリースした。

「アレルサーチ」は、順天堂大学医学部眼科学講座による花粉症研究のための花粉症予防アプリだ。同アプリでは、ユーザー自身の花粉症の自覚症状アンケートや目の赤みの画像診断から花粉症レベルを数値化して示す「花粉症レベルチェック」機能や、どの地域にどのくらいの花粉症レベルの人がいるかを確認できる「みんなの花粉症マップ」、また、花粉症によって影響を及ぼすとされるQOL(Quality of Life:生活の質)や労働生産性などを確認するための花粉症研究に向けたモニタリング機能も搭載している。

アプリケーションのデザイン/開発には、これまでにもResearchKitによるアプリ開発の実績を持つメディカルローグ株式会社と協力し、ユーザーエクスペリエンスの向上を目指した。同アプリはApp Storeより無料でダウンロードするが可能だ。

花粉症の要因はひとつに限らず、個人によって様々で、複合的に関連し発症すると言われている。

例えば 「花粉やPM2.5といった大気汚染物質などの環境要因」、「食事、喫煙、運動などの生活習慣」、「家族歴、年齢などの疫学的要因」などが挙げられるが、これらの要因は複合的であるため、これまでの研究では各因子が実際に発症に及ぼす影響の程度は明らかになっていない。

このような背景から、個人に最適化された花粉症の発症予防対策を立案するために、スマートフォンのアプリケーションを活用し、花粉飛散量、大気汚染分布、生活習慣、疫学的要因などを継続的にモニタリングするとともに、ビッグデータ解析することで花粉症における各種要因の発症への寄与度を明らかにしたいと考え、研究を計画した。

花粉症予防アプリ「アレルサーチ」は、Apple社のHealthKitと連携するため、ユーザーの生活習慣等の情報が共有できるほか、アプリを通して得られた花粉症に関するアンケート情報や目の赤みの画像診断を通してデータ収集が可能。ユーザーは「アレルサーチ」を通してデータを提供する一方で、リアルタイムの「みんなの花粉症マップ」や花粉飛散量、PM2.5情報などを受け取ることができ、ユーザーとアプリによる双方向のコミュニケーションが実現する。

これにより、ビッグデータが収集できれば、今まで行われてこなかった花粉症の複合的要因を医学的に分析し、個人にパーソナライズされた花粉症対策が可能となる。花粉症を保険診療からセルフメディケーション(自己管理)へシフトさせ、予防治療を推進し、医療費削減に貢献していける画期的なアプリを目指している。

参考リンク
アレルサーチ

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