カーブス、フィットネスの米CVIHを1億7200万ドルで買収

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2018.02.21

編集部

株式会社コシダカホールディングス(東京都港区)は21日、子会社の株式会社カーブスホールディングス(同)が、カーブス事業のグローバル・フランチャイザーである米Curves International,Inc.(CVI)の100%親会社である米Curves International Holdings, Inc. (CVIH)及び同事業のフィットネスクラブの機器をフランチャイジーに販売する米Curves For Women II, L.C.(CFW)を買収すると発表した。買収金額は1億7200万ドル(約186億円)。全額銀行借り入れで資金調達する。株式は3月31日に取得する予定だ。

カーブスHD傘下の株式会社カーブスジャパンはこれまで、CVIと独占的事業展開権利を得る見返りに多額のロイヤリティの支払いとフィットネス機器の購入を行ってきた。今回の買収により、「全世界での事業展開にフリーハンドを得た。悲願の成就であり、真に世界に向けてカーブス事業を発進していける」(コシダカHD代表取締役社長の腰髙博氏)。また、買収金額の回収については「十分回収可能な額。さらなる成長への切符を得た」(同氏)と胸を張った。

今回の買収では、CVIをはじめとしたグループ企業がカーブスHD傘下に収まる。これに伴い、北米、欧州、オセアニアで展開しているダイレクトFC事業をマスターフランチャイザー事業に組み込み、事業再生型投資会社の米ノースキャッスルパートナーズ(NCP)が設立する新会社の下でマスターFC契約を締結する。北米、欧州、オセアニアは店舗数の減少が続いており「事業リスクの回避」(カーブスHD代表取締役社長の増本岳氏)が狙い。

また、ダイレクトFC事業を展開してきた中国については、そのまま同事業を継続。「まだ事業をスタートして2年と年数が浅い。現地の中国人が事業展開するのが望ましい」(増本氏)として、早期にマスターFC化していく考えを示した。

CVIは、1992年に米テキサス州で創業し、30~40代女性向けダイエットビジネスを展開してきた。2007年には世界1万店舗、北米7500店舗まで拡大したが、これをピークに世界経済危機を契機に業績が悪化。2017年には世界4240店舗にまで縮小した。

一方で、日本では2005年にカーブスジャパンを設立して、日本独自にシニア女性向け30分健康体操教室を展開。米国の世界総本部が店舗数を減らしていくのに対して、日本は着実に店舗数を伸ばし、2017年には1860店舗に増加。チェーン年商640億円にまで成長した。「年間90~100店舗を出店」(増本氏)している。

欧米のカーブス事業が停滞したのは、景気に影響されやすい若年層向けダイエットビジネスであることや、FC加盟店の9割が経営資源に乏しい個人経営者であること、店舗オープン中心の支援でアフターサポートが不足していたことなどが理由に挙げられ、「現場の混乱を招いた」(増本氏)。

今回の買収によって、CVIへのロイヤリティなどの負担が軽減される。具体的には、ロイヤリティとして「年間16億円。このほかフィットネス機器として4億円」(増本氏)の支払いがなくなる。

また、マスターFCの下では、さまざまな制約があった。米国本社の意向一つでライセンスはく奪が決まるというリスクがあるほか、新サービスを開発するのに米国本社の承認が必要で「3~4年の手間をかけて健康機器を作っても権利は当社にない」(同氏)などが挙げられ、こうした問題が今回の買収で解決できる。

今後は、グローバル展開のフリーハンドを握ることができる。「1年かけて世界の状況を調査して戦略を立てる。日本の店舗展開のノウハウを提供していく」(増本氏)ことで業績回復をサポートしていく考えを示した。

参考リンク
株式会社コシダカホールディングス

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