若い時の肥満がのちのがん発症やがんの進行と関連

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2018.03.30

国際部

肥満とがん発症の関係を包括的に検討した研究結果が3月26日、米国Case Western Reserve Universityからプレスリリースされた。この研究は3月23日、「Obesity」オンラインに掲載されている。

肥満とがんの関係は、これまでも多くの研究がなされている。肥満は、活性酸素のような有害な副産物を産生して免疫系を過剰活性化させることや、ヒトの代謝を変化させてがん細胞の増殖を助ける成長因子およびホルモンの不均衡を起こす。また、肥満により腸内微生物叢のバランスが乱れて腫瘍促進種が優勢になったり、肥満者に多い酸逆流が気管支を損傷し食道がんのリスクを高めたりする可能性も報告されている。

今回の研究では、50歳以下の若年成人の肥満とがんとの関連を調査した前臨床試験、臨床試験、疫学研究を対象に、包括的ナラティブレビューを実施したところ、若年成人のがん増加に対する肥満パンデミックの影響を示唆する十分なデータが存在した。例えば、110万人以上のイスラエル人の研究では、青年期(16~19歳)で太りすぎた人は、48歳までに大腸がんを発症するリスクが1.5倍に増加していた。

過剰体重は、がんのリスク、罹患率および死亡率の増加に関連する。複数のマウスモデルは、肥満はがんの発生率を高めるだけでなく、がんの進行を加速させることを示している。そのため、過体重および肥満が、より若い年齢での特定の悪性腫瘍の発生に寄与している可能性が示された。この知見から、世界的な肥満の拡大と関連して、若年成人における肥満関連がんの切迫した、爆発的増加が示唆される。

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