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飲酒は口内環境を乱す原因かもしれない

飲酒により口内細菌叢に大きな変化が起こる可能性があるという研究成果が4月24日、「Microbiome」オンラインに掲載された。近年、口内環境(口内細菌叢)の乱れが口腔内疾患のみならず、頭部、頸部、消化管のがん発生につながる可能性が指摘されている。今回の研究は、細菌叢の不均衡(ディスバイオシス、dysbiosis)の原因となる外的因子を調査した。

米国で成人1044人を対象に、経口洗浄サンプルの16S rRNA系統解析を実施し、アルコール消費が口腔内の細菌叢におよぼす影響を調べた。口腔微生物叢の多様性は、大量飲酒者と非飲酒者で異なった。喫煙の有無を考慮しても、この差は確認された。乳酸菌の存在量は、大量飲酒によって減少する傾向にあった。さらに、より大量の飲酒をする人では、アクチノマイセス、レプトトリシア、カーディオバクテリウム、およびナイセリアといった特定の細菌(属)が多かった。これらの属のうちのいくつかは口腔病原体を含み、ナイセリアはエタノールからヒト発癌性アセトアルデヒドを産生することができる。ワインを飲む人では、飲酒量を制御した後、微生物多様性プロファイルに変化が見られたが、酒やビールを飲み人ではこの変化は見られなかった。研究者らは今回の結果から、特に大量のアルコール消費が口腔内細菌叢の組成に影響を与える可能性を示唆している。

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橋本奈保子

顧問記者(国際情報、薬事・医療ニュース)

名古屋大学大学院、英国Durham University, Graduate School 卒。編集者、ライターを経てフリージャーナリストとして独立。専門分野は、医学・化学関連。また、同分野を中心に翻訳、ウェブコンテンツ・ディレクターとしても活躍中。 本誌では主に、米国欧州を中心に先端美容医療、化学、米FDAなどの情報を担当。

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