美容医療のトラブル増加で、内閣府政府広報室が注意呼びかけ
2013.07.16
編集部
「レーザー脱毛」や「ヒアルロン酸注射」、「脂肪吸引」、「シミ取り」、「二重まぶた手術」……。こういった様々な美容医療サービスが浸透してきた一方で、美容医療サービスでのトラブルが、20代~30代女性を中心に幅広い世代で数多く発生している。内閣府政府広報室は7月16日、トラフル防止のために、「美容医療サービスを受ける前に確認したいポイント」などを発表し、注意を呼びかけた。
同広報室によると、全国の消費生活センターに寄せられた美容医療サービスに関する相談は、平成22年度からの3年間で5千件を超えている。生命・身体への危害に関わる相談件数も年々増加し、全体の2割程度を占めている。(下図参照)相談件数を年齢別・性別で見た場合、20代後半から30代前半の女性が突出して多い。
特に生命・身体への危害に関するトラブル(腫れ・痛みなど)の相談が多い施術の大部分は、「シワ取り」「脱毛」「シミ取り」「脂肪吸引」「二重まぶた」「豊胸」「包茎」など。そのうち、約2割は「1か月以上」も症状が続くなど、被害の深刻度も大きいという。
ホームページ上の不適切な表現をきっかけとした医療トラブルが多く発生
受診する医療機関を選ぶ際には医療機関からの正しい情報提供が不可欠だが、近年、インターネットで情報を入手する人も多い。そして、美容医療などの自由診療をめぐっては、ホームページに掲載されている情報をきっかけとしたトラブルが発生しているケースが多いのが実情だ。
消費生活センターに寄せられる美容医療サービスに関する相談のうち約半数は、「販売方法、広告に問題のある相談」となっている。「(美容医療機関の)ホームページに表示されていた安い料金を見て受診したら、その料金より高額な費用がかかると言われた」「『100%効果あり』とのうたい文句の点滴を受けたが効果がない」など、ホームページに掲載されている情報を契機としたトラブルや、実際の受診時における説明や対応が異なるといったトラブルが問題となっている。
受診者の保護や正確な情報提供という観点から、厚生労働省は昨年9月、「医療機関ホームページガイドライン(医療機関のホームページの内容の適切なあり方に関する指針)」を定め、ホームページ上にある不適切な表現の改善を図ることを事業者に求めた。
加工・修正した術前術後の写真などの掲載、「著名人も医師を推薦」など著名人との関連性を強調すること、「無料相談された方全員にをプレゼント」などのように提供される医療の内容とは直接関係ないことでの誘導、「手術は効果が高く、おすすめです」など特定の手術・処置などの有効性を強調した誘導、などが不適切とされている。
同広報室では、ガイドラインを参考にトラブルに巻き込まれないよう注意しているほか、「ホームページや広告などの情報をうのみにしないこと」「医療機関に行く前に、受けたい施術や医療機関の情報をきちんと確認すること」「施術を決める前に、リスクや施術効果についての説明を求めること」「初診当日の即日施術は絶対しないこと」、「トラブルにあったら、一人で悩まず、早めに相談すること」と呼びかけている。