【連載】大手化粧品会社の研究㉝ランクアップの会社研究 ~東京都の働き方改革モデル企業に認定、時短等6制度導入・実践~(下)

2018.07.3

特集

編集部

我が国は「少子高齢化に伴う生産年齢人口の減少」「育児や介護との両立」など、働く方のニーズの多様化に直面している。特に、就業機会の拡大や意欲・能力を存分に発揮できる職場環境を作ることが経営者、労働者双方にとって重要な課題となっている。
ランクアップは、こうした働き方改革を先取りする様に時短勤務制度など6つの分野で働き改革を導入し、実践している。

同社のこうした働きやすい職場環境の取り組みについて2013年と2017年の2回、東京都がライフ・ワーク・バランスの模範企業として認定するなど、中小企業の働き方改革のモデルとなっている。
現在、同社が働き方改革として導入・実践しているのは
1.病児シッター制度
2.時短勤務制度
3.「17時に帰っていいよ」制度
4.選べる時間休制度
5.起業化制度
6.改善提案制度の6分野。

1.病児シッター制度は、子どもの体調不良で急に会社を休む場合、病児シッターサービスを自己負担300円で利用できる制度。
2.時短勤務制度は、子どもが小学校に入学する前まで6時間の時短勤務が可能な制度。フルタイムで働く社員と同じ成果を求め、同じ評価を行う。
3.「17時に帰っていいよ」制度は、仕事が早く終われば17時に退社できる制度。ほとんどの社員が17時で退社している。
4.選べる時間休制度は、有給休暇を2時間から6時間までの時間単位で取得できる制度。数時間単位で取得することにより、ワークライフバランスを効率よく使うことができる。

5の起業化制度と6の提案制度は、社員のスキルを活用して企業の活力、収益向上につなげようというもの。
社内起業制度は、事業計画書を策定の上、経営者に提案が通れば、誰でも新規事業を立ち上げられる制度。「輝く女性の輪を社会へ広げる」という同社のビジョン実現を加速させる事業を生み出していく。
改善提案制度は、採用、不採用にかかわらず改善提案1件につき、会社から500円支給される制度。これまで改善提案の中から生まれた社内制度は、社員の健康増進として無農薬野菜の支給やコミュニケーション食事会費支給、ボランティア休暇制度などがある。

ともあれ、同社の働き方改革は、1人当たりの生産性が高く経営基盤が安定していることや経営トップが女性社員を活用する企業風土を醸成していることに起因する。

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