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(69)ナックの化粧品事業に関わる会社研究 ~相互商品のクロスセールスなどシナジー効果発揮~(下)

ナックの子会社で化粧品、健康食品等の通販事業を展開するJIMOSは現在、主力の化粧品ブランド「マキアレイベル」や自然由来の成分を配合した基礎化粧品ブランド「こより」をWeb媒体通じて市場に投入し、個客に販売している。
ここへきて新商品の投入も活発に展開している。2018年1月から12月までの1年間で、美容液オイルやリセットクリームなど約10種類に上る新商品を投入した。
JIMOS の業績は、こうした新商品の投入や新規顧客の獲得などが奏功して、2018年3月期の売上高は約103億円に上った。JIMOS の業績については、ナックの決算に通販事業として計上している。

ナックは、JIMOSの先行きの業績について、2020年までに現行の倍の約200億円にもっていく目標を掲げている。
この目標を達成するためナックは、ナックが有する50 万軒強の一般家庭を中心とした顧客基盤の一層の拡充を図ることや日本市場におけるシニア市場をターゲットとしたサービスのご提供、という2つのキーワードを成長戦略の要と位置付けている。
ナックは、JIMOSについて「JIMOSは、ナックが成長戦略において基軸としている2つのキーワードを満たしている。また、JIMOSは、通販事業におけるコンタクトセンターやメディアミックスを効果的に活用した高い広告宣伝ノウハウを有している。その独自のマーケティングノウハウを駆使することで、23 万人に上る女性の優良な顧客基盤を築く原動力になった」と説く。

それを踏まえたうえで現在、両社は、優良顧客基盤を活用した相互商品のクロスセールスをはじめ、ナックが得意とするフェイス・トゥ・フェイスでの訪問販売ノウハウとJIMOSの独自の広告宣伝ノウハウとの融合による相互マーケティングツールの拡充、物流システム等の相互活用等を図ったことで、コストダウン、効率性向上等のシナジー効果を生みだしている。

JIMOSが先行き一段と伸長するためには、どれだけJIMOS単体で新規顧客を獲得して事業を拡大できるか。同時に、コスト回収を早めて利益回収に繋げていくか、が大きく問われる。

ヌーヴェル日本版(LNE)公式サイトwith美容経済新聞 2025年6月正式リリース!

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加藤勇

顧問記者/ジャーナリスト

元日刊工業新聞編集局部長。欧州、米国特派員を含め記者歴通算45年。ベンチャー、中小・金融政策専門経済ジャーナリスト。「レバレッジ金融至上主義の崩壊」など著述多数。本誌では主に、経済部門、企業取材を担当。

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