化粧品ECの現状と課題⑥化粧品ECの現状と課題 ~北の達人コーポ、定期購入型ECモデル確立~

2019.12.16

特集

編集部

株式会社北の達人コーポレーション(北海道札幌市)は「おもしろい」をカタチにして世の中をカイテキにする「達人集団」という経営理念のもと、インターネット上で一般消費者向けに自社オリジナルブランドの化粧品や健康食品等を販売するECサイト「北の快適工房」を開設しEコマース事業を行っている。北の快適工房の会員数は、2019年2月末で約25万人に上る。

製品の製造は、製品ごとにその分野において最も優れた技術を持つOEM企業と提携し、常に最高品質の製品を製造し、製品自体の品質や顧客満足度を担保している。

同社が取り扱う商品ジャンルは、健康や美容の悩みに対して具体的に効果を体感しやすくリピート使用されやすいものを中心に開発、選定を行っている。
現在、同社の商品ラインアップは、他企業が参入しにくいニッチ(隙間)なマーケットに対して商品化されたものが占める。「これまでになかった」という意外性から、発売と同時に注文が殺到、予約待ちとなる商品も多数存在している。
商品は、購入者による満足度・実感度を重視し、試作品のモニター調査を徹底して行った上で、確かな満足度・実感度が得られるものだけを商品化するという徹底ぶり。
これらを踏まえ「北の快適工房」において現在、取り扱っている商品は、マイクロサイズの針が目の周りの小じわの深部に届き潤いを補充する「ヒアロディープパッチ」や目の下のクマを改善するクリーム「アイキララ」等の化粧品及び健康・栄養食品など約31品目に上る。また、変化の激しい業界であるため、受注業務、サイト制作、販売促進ツール等の企画制作、システム開発、広告運用、カスタマーサポート等の顧客接点、顧客サポートについては、社内運営を基本にしており常に、独自のノウハウ、知見を蓄積している。

同社のEコマース事業の特徴は、少数アイテムに特化した販売方式を採用している点にある。少数アイテムに特化しているため「専門店」に近い店舗形態となっており、継続的に購入してもらう「定期購入型」のECビジネスモデルを確立、収益の安定化をはかった。
北の快適工房における販売方「定期購入型」は、「年間購入コース」「3ヵ月ごとに届ける基本コース」「お試し定期コース」などからなる。
この定期購入型の導入により事前受注の確立による売り上げの安定化と広告宣伝費の削減、人件費・在庫の適正化を実現している。
受注の方法は、主に通信販売サイトで受付けている。通販サイトで受付けた注文については、社内のカスタマーサービス部門がメール等で顧客を確認した後、商品を発送している。

こうしたEコマースが牽引して同社の業績は好調を持続している。2020年2月期の売上高は、100億円の大台乗せを予想。5年以内に売上高300億円を目標とするなど新たなステージに向けて業績がしり上がりに向上する見通し。

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