【連載】この中小化粧品会社に注目⑯グリ―ンサイエンスマテリアル(中)~サクロン配合の高機能化粧品を開発~

2020.10.8

特集

編集部

グリ―ンサイエンスマテリアルは、北陸先端科技大学との共同研究で、サクランの保水性、抗炎症効果や化粧品の新素材、化粧品への効果検証などから新発想「ラッピング化粧品」の考えに基づく高機能化粧品「マイコクチュール」(写真)を開発した。
ラッピング化粧品とは、外からサクランの保水膜で肌をキャップする新発想による化粧品の意味。肌への作用が明らかでは無い成分や不要な成分は一切排除することも重要な開発の発想要素となっている。

ラッピング発想によるサクロンの特徴(保水、保湿、皮膜形成等)を生かした「マイコクチュール化粧品」としてシリーズ化を図り、「サクラムアルジェシリーズ」(洗顔料、化粧水等9品種)、「BHKシリーズ」(美容クリーム、ファンデーション等6品種)、「セラビオシリーズ」(化粧水、乳液等4品種)、「泡シリーズ」(ジェルパック1品種)など、4シリーズ約20品種を商品化した。いずれの化粧品も成分が肌にマイルドであるだけでなく確実にその効果「ハリ」 「ツヤ」 「潤い」をもたらすことを実現している。

開発したマイコクチュール化粧品を他社製品と比べた場合の大きな違いは
①サクランという天然抽出物質(超保湿・保水・被膜形成能・抗炎症効果を持つ)が全ての製品に高濃度に配合
②全成分が植物由来の良質素材に拘り、防腐剤さえも天然成分を厳選
③合成成分一切不使用
④サクランの抗炎症効果から肌質改善が期待
⑤サクラン開発者が研究成果に基づきサクランの効果的な配合比率を決定など

こうした化粧品への開発と合わせてアトピー用想定のバリア機能や老人性の乾燥肌の強化剤及び高粘性で触れた途端に粘度が上昇する逆チキソトロピー性を利用して、肌への付け心地を感じるような「つけ感」の向上。さらには、アトピー性皮膚炎患者への塗布実験で、サクランの持つ皮膜形成能により外部刺激等から保護された炎症部位は、ステロイド塗布よりも症状が緩和されるなどの効果を活用して医療、食品、工業等さまざまな分野への応用開発を進めた。

このような共同研究の成果として同社は、サクロンの製法特許(2008年1月)を取得するとともにサクロンの用途開発に関わる特許も権利化した。
同社は、サクランの化粧品分野への応用開発にメドをつけたことで、化粧品メーカーとしての地歩を固め、化粧品の事業形態を内外に示すため、2008年5月に西日本化粧品工業会に加盟。以降、原料販売を含む化粧品メーカーとして事業展開している。

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