化粧品OEM・ODM各社の「ユーザーニーズに対応するわが社の事業展開」【3】 ISOプロジェクトスタート、三郷工場の適合目指す~ナユタ(上)

2014.07.16

特集

編集部

化粧品のOEM事業を展開する株式会社ナユタ(東京都千代田区、社長山崎尋士氏=写真)は、主力の埼玉・三郷工場で、国際標準の品質マネジメント規格ISO9001に適合した工場とするため、ISO認証取得に向けた社内プロジェクトをスタートさせた。また、これまで蓄積してきたゲル化技術に磨きをかけ付加価値の高いゲル化粧品を市場に投入する。

社長写真①同社の法人設立は、1986年5月で、山崎社長の父親(先代社長)が健康美容関連商品の販売会社として事業を開始したのが始まり。当初、健康美容関連商品を美容室などへ販売していたが、化粧業界の成長発展とともにOEM受注の増加などからOEM専門メーカーへ業態を転換した。法人設立10年後の1996年には三郷工場を建設し、OEM生産の主力工場として現在に至っている。

生産設備も真空乳化装置や逆浸透膜装置、インラインキャッパー、真空乳化釜、充填機など最新鋭の設備を段階的に導入。現在、1日の仕込み量が最大で1,200kg~1,600kgと多ロット生産体制を確立している。また、同工場に研究開発室があり、OEM先から依頼のあった試作品作りや新しい処方などの開発に取り組んでいる(写真)。

画像研究開発室

「三郷工場は小回りのきく機敏な化粧品工場。顧客に対し同じ品質の物を作り続けることが信頼、安心に繋がっている。しかし、内外にわたって高品質を裏付ける証明の必要性も高まっている。ISO認証を取得することで、顧客からの信頼性をさらに高め、かゆい所に手が届くサービスを提供して行く」(山崎社長)とISO認証取得を説く。

ISO認証は、品質管理を徹底して顧客満足度の向上を図るとともに国内、海外での信用力を一段と高めて行くのが狙い。すでに工場の各部門から成るISOプロジェクトをスタートさせた。

一般的にISOを取得するには、現状の業務の進め方を整理し、ISO要求事項に準拠した品質マニュアルや手順書・記録帳票を社内ルールとして定め、文書化すること。また、明文化されたル-ルに基づいて社内運用し、社内監査を実施して審査機関に審査申請する。審査機関の書類審査・現地審査を経てISO認証書が交付される仕組み。

いわば生産管理、品質管理業務を円滑に進めるISOのPDCA(P=PLAN/計画、D=DO/実行、C=CHECK/点検・評価、A=ACT/改善)サイクルを繰り返すことが重要。特に、P=文書化、D=実行・運用、C=社内監査、A=是正といったサイクルの中で特に、社内ルールの文書化に労力と知識が求められる。

現在ISO取得までの平均期間は、文書化し合否の判定が下りるまで約9ヵ月程度かかる。同社は、来年春をメドにISO認証を取得する方針だ。

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株式会社ナユタ

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