ナノエッグ、女性起業家賞受賞、高度技術と化粧品事業等評価(下)
2017.06.23
編集部
現在、ナノエッグの事業は
①難治性疾患の発症機序解明に基づく創薬や医品の搬送・伝搬技術「ドラッグデリバリーシステム」(経皮吸収研究、次世代型ワクチンの研究開発等)などの医薬事業
②新規経皮伝システム「ナノキューブ」「モイスチャーキューブ」「ヘアケアキューブ」「リポアクティブ」などを外用基剤とする科学根拠に基づいたエイジングケア化粧品・医薬部外品の事業
③「ナノキューブ」「モイスチャーキューブ」「ヘアケアキューブ」「リポアクティブ」など化粧品配合原料の販売事業
④ナノカプセル化レチノイン酸の研究試薬事業の4事業を主体に事業に取り組んでいる。
この中で化粧品事業は、ナノエッグ技術とナノキューブ技術を駆使して開発し2007年から販売した自社ブランドのエイジングケア化粧品「マリアンナ」をはじめ、2008年3月に江崎グリコ株式会社(大阪府大阪市)との共同研究で誕生した「ブライトニングシリーズ」(化粧水、乳液、クリーム)や女性用育毛剤「ふわり」(2016年6月販売)などの機能性化粧品を市場に投入してきた。
現在、市場に投入している化粧品アイテム数は約30品目に上り、通販と代理店を介してのドラッグストア、コンビニなどに卸販売している。総売上高の約7割が化粧品とへアカラーの販売で占める。
こうした同社のナノカプセル化技術や外用基材を使った経皮伝達システムなどの高度技術や化粧品事業が評価されて、2017年2月に経済産業省から「第3回日本ベンチャー大賞」の「女性起業家賞」(経済産業大臣賞)を受賞した。
首相官邸で行われた受賞式(写真)で、受賞の挨拶に立った同社代表表取締役山口葉子社長は「弊社が目指す皮膚研究から医療のブレークスルーを具現化するため、最初にスキンケア化粧品を開発し多くの女性フアンに愛用されている。現在、私どもは、注射剤の代わりになる外用・貼付剤の開発と難治性皮膚疾患のための創薬研究に取り組んでいる。引き続き社員一同精進し、アントレプレナー(起業家)を目指す人たちのご期待に沿えるよう努力して行きたい」と謝辞を述べた。
「日本ベンチャー大賞」は、挑戦を称える社会意識を醸成するために、若者などのロールモデルとなるようなインパクトのある新事業を創出した起業家やベンチャー企業等を内閣総理大臣が表彰するもので、今回が3回目。
同大賞は「ベンチャー創造協議会」が公募し、審査委員会による審査を経て受賞者を決定する。「ベンチャー創造協議会」とは、ベンチャーが生まれ成長する「ベンチャー創造の好循環」を形成するという目的に賛同する企業・個人・団体等で構成し、2014年9月に経済産業省を事務局として創設された。