【連載】大手化粧品会社の研究⑫ちふれ化粧品の会社研究 ~女性起業家に金融支援、社員の処遇や働き方も改革~(中)

2018.03.20

特集

編集部

ちふれ化粧品は、女性の起業や新規事業等を金融面から支援(貸付)しようと「女性起業家支援制度」を実施している。
同貸付制度は「自分の夢に向かってひたむきに努力している女性を応援したい」との考えから、2013年8月に導入したもの。
同制度導入の狙いは、起業リスクを出来るだけ低減し、女性の起業家を応援することが、女性が活き活きと活躍出来る社会の実現、さらには我が国の経済活性化に繋がるとの考えによる。資本金及び貸付金の合計金額は、1件あたり最大1000万円。

2013年8月から同制度をスタートし、2017年8月で5回を数える。第5回支援事業では、東京都内で企業の業務をプロジェクト毎にチームで受託するプロジェクト型業務受託サービス(図にサービスの概要を示す)事業者が金融支援の認定を受けた。同社は、引き続き女性の起業家を支援するため同制度を継続していく。

同制度の導入と並行して、社員の処遇や働き方を改善する取り組みも活発に行っている。同社は、安定して勤務できる環境を整備するため、2017年10月から雇用区分を見直し、これまで有期雇用契約を交わしていた美容部員324名、ラウンダー(自社と取引のあるスーパーやデパートなどの販売店を回り各店舗での自社製品の展示状況や他社製品との違いを調べて報告したり、もっと売ってもらうための企画を実践したりする仕事)50名、川越本社工場及び大阪営業所の勤務者11名を「地域限定正社員」として登用した。
雇用区分の変更は、働き方や生き方等が多様化する中で、安定して勤務できる環境を整備することを目的に導入したもの。主に、当社の財産である対面店流通における美容技術やサービス品質の更なる向上とセルフ流通における売り場作りや取引先との関係強化といった営業力の充実を図る。

「地域限定正社員」は美容部員の場合、自宅から通勤時間が2時間以内にある事業所・店舗とし、ラウンダーについては自身に割り当てられたエリア内にある店舗した。また、定年は60歳。その後は、希望に応じ「嘱託社員」として65歳まで勤務することができる。
同社は今後、地域限定正社員に適した評価の仕組みや新たな処遇体系の構築を検討して働き方改革の充実を図って行く方針。

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