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日焼け止めに含まれるナノ粒子は安全

日焼け止めに含まれるナノ粒子酸化亜鉛は安全であるとする報告が1121日、南オーストラリア大学からプレスリリースされた。研究の詳細は「Journal of Investigative Dermatology」オンラインに掲載されている。太陽光からの保護効果を上げ、肌の上で白浮きしない日焼け止めには多くナノ粒子酸化亜鉛や酸化チタンが含まれている。これらのナノ粒子は皮膚から浸透し、体内に蓄積されるとしてその安全性へのが懸念があるとされる。

今回、オーストラリアのクイーンズランド大学と南オーストラリア大学の研究者らが行った試験では、日焼け止めに使用される酸化亜鉛ナノ粒子の皮膚への浸透や、繰り返し使用しても細胞毒性を引き起こさないという直接的なエビデンスが得られたという報告があった。研究チームを率いるMichael Roberts博士は「ヒトでの研究より、亜鉛含有日焼け止めの皮膚吸収がはるかに高かった動物実験が発表されたことで、日焼け止めの毒性に関する神話が定着した。日焼け止めに含有されたナノ粒子酸化亜鉛が表皮から吸収されて、DNA損傷などの細胞毒性をもたらす可能性への懸念があった」と言う。

試験は、2030歳の5人のボランティアの参加により、ナノ粒子酸化亜鉛を繰り返し塗布することの安全性を評価したもの。ボランティアは、ナノ粒子酸化亜鉛を5時間連続して6時間にわたって塗布し続けた。精度の高い画像診断法を用いて評価した結果、ナノ粒子は皮膚の表層に留まり、細胞の損傷を引き起こさないことを確認した。Roberts教授は「これらの知見が、ナノ粒子含有の日焼け止め製品の信頼を向上させ、より良い日焼け防止につながることを願っている」述べている。

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橋本奈保子

顧問記者(国際情報、薬事・医療ニュース)

名古屋大学大学院、英国Durham University, Graduate School 卒。編集者、ライターを経てフリージャーナリストとして独立。専門分野は、医学・化学関連。また、同分野を中心に翻訳、ウェブコンテンツ・ディレクターとしても活躍中。 本誌では主に、米国欧州を中心に先端美容医療、化学、米FDAなどの情報を担当。

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