平成24年度 美容整形科の医療事故報告は0件
2013.09.2
編集部
公益財団法人・日本医療機能評価機構は8月28日、「医療事故情報収集等事業」の平成24年度年報を公表した。報告された医療事故は2882件で、昨年より83件多く、2005年の情報収集開始以来最多となった。
報告の内訳は、大学病院や国立病院機構の病院など報告義務対象の273施設から2535件、地域病院、医療法人など参加登録申請医療機関の653施設から347件だった。これは、報告義務医療機関では1施設当たり9.29件、任意参加の医療機関では1施設当たり0.53件の報告があった計算となり、任意参加機関からの積極的な報告が求められるとしている。
事故の内容では、「療養上の世話」が全体の40.6%、次に「治療・処置」の26.3%の順に高い。死亡事故も6.6%(171件)報告されている。診療科別では「整形外科」が11.2%、次いで「精神科」7.2%、「外科」7.1%が続いた。
形成外科は0.6%(18件)、 美容外科、矯正歯科はどちらも0件で、報告された事故はなかった。医療界では「ヒヤリ・ハット」と言われる、事故になる前の事例は全体で約69万件だった。
医療訴訟の数値の変遷については、5月31日付けのNHK時論公論アーカーブス「医療事故調 創設へ」の中で、患者や家族が起こした民事訴訟件数について、1997年の591件から2004年の1110件までは上昇傾向、2004年から2012年の793件にかけては若干の減少傾向とし、「最近でも一年間に800件程度の訴訟が起きている」とまとめている。また、刑事事件としての立件数は2006年の98件を最高件数として、2012年には93件となっている。筆者は、増加した医療事故訴訟に対し、新しくできる「医療事故調査制度」に期待を寄せつつも、患者やその家族からの信頼回復には「それぞれの医療機関の姿勢」が大切と述べている。