理美容・エステ・美容家電各社の成長戦略【2】スリムビューティハウス、無借金経営、上場も視野に

2013.10.15

特集

編集部

スリムビューティハウス(東京都渋谷区)は、先の大震災で被災した福島県にチャリティ募金で集めた1億円を日赤通じて寄贈。また、乳がん検診の早期受診と治療を推進するピンクリボン運動に協賛する一方、ベトナムに奨学金や文房具を寄贈するなど活発な社会貢献活動を行っている。同社の代表取締役西坂才子氏は“八重の桜〟で観光復権を取り戻した福島・会津の出身。そこで、西坂才子代表取締役に同社の事業実態と成長戦略を聞いた。

スリムビューティハウス、無借金経営、上場も視野に

スリムビューティハウス代表取締役西坂才子氏

―国内エステティックサロン市場の評価・分析から伺いたい

「国内の調査機関による2012年度のエステ市場規模は、約3491億円に達したとの分析結果を出していますが依然として市場の伸びが鈍い状態です。足元では、単価や来客数が下げ止まってきているものの市場を押し上げる勢いに欠けます。市場は今後、横ばい基調で推移すると見ています。」

―今期の業績は、どの程度見込んでいますか

今期(2014年2月期)の新規出店(直営エステサロン)は、5店舗を計画。新規出店は、いずれも、都心の駅前、商業ビルなど立地条件に優れた場所に開設し、競争力を一段と高めて行く考えです。また、新規出店と合わせて売り上げの4割強を占めるまでになったオリジナルコスメ、サプリメントなどの物販販売(サロン販売、通販)に継続して力を入れます。今年8月に販売したダイエット茶「デトックスティ」に続いて10月中にも糖質、脂質を抑える新製品の痩身用サプリメントを販売する計画です。こうした要因から今期(2014年2月期)の業績は、売上高前期比約3%増の62億円強、経常利益が前期並みの6億円を見込んでいます。また、財務体質は、自己資金と内部留保ともに極めて強固な状態にあり今後とも無借金経営を続けて参ります。」

―中国・蘇州に進出(2011年12月)していますが今後の海外展開計画は

「海外展開は、近視眼的な発想で、短期的に収益を追求するだけでは成功しません。異文化、言葉、習慣、市場、決済、法律、政治などあらゆる進出条件を前もって詳細に検討しないと失敗する恐れが多分にあると考えています。その意味で今後、中国は、尖閣問題がからんで、新たな出店が難しいと判断しています。基本的には、海外市場を取り込んで成長したいと考えており来年中にもタイとマレーシアに進出する方向で検討しているところです。」

―今後、どのような成長戦略を描いていますか

「当社は、鍼灸治療院として創業したのが始まりで、私自身も鍼灸師の国家資格を持っています。これまで鍼灸治療の東洋医学と西洋美容を融合させた当社独自の美容法「オリエンタルエステ」を作り上げ国際学会で発表しています。この東洋医学の中に病気に向かつている状態「未病」に着目してこれまで東大と共同で、美容と健康促進、抗加齢のためのトータルヘルスケア法の究開発を行ってきました。共同成果については、来年にも学会で発表する予定で、これを足掛かりにして健康産業へ業態を転換して行く考えです。健康産業としての基盤を確立した段階で、株式の公開も視野に入って来ると思っています。」

 

連載「理美容・エステ。美容家電各社の成長戦略」は、隔週火曜日掲載します。

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